(こちらはウラミチを全編通して読んだ後に読むことを強くお勧めします。まだ読んでいない方は最初からどうぞ。)
テキストマニアX決勝戦。
ワカレミチの勝負テキストはこんなふうに始まりました。

決勝戦は300票を先取したサイトが優勝するという、いつ終わるとも知れぬ戦い。ワカレミチはそこに連載小説という形式で挑むことにしました。
そこで、一日目は第1話へのリンクと、第2話のタイトルのみ表示するという殺風景な構成でスタート。ここから一日一日増えていくことになります。デザインはすべてワカレミチ本編のスタイルシートを引用して配色のみ変えて暗い感じにしました。
そして「この物語はフィクションです」という注意書きがありました。これは、もちろん伏線です。とにかく読者に「これはフィクションなのか実話なのか」と考えながら読み進んでもらうのがこの作品の狙いでした。そのために主人公の設定をふだんの日記から垣間見えるリアルのぼくと明らかに同じになるように設定し、それでいて「フィクションです」とあえて書いて物語であることを意識させました。そしてデザインを本編と同じにして「パラレル」と銘打つ。これらにより、ちょっとしたズレによる違和感を醸し出そうとしました。
そうして始まった第1話のテキストはこちら。
テキマニ準決勝までのテキストで、ワカレミチの管理人は調理師の専門学校に通っているという自己紹介をさんざん済ませてきたので、前置きなしに一気に「ぼく」のコテコテなラブストーリーからスタートしました。「彼女」の描写をもっとしたほうがいいのではという声もありましたが、「彼女がどんなだから、ぼくは彼女をどんなふうに好きだ」と全部を書くには与えられたスペースが短すぎるので、割愛してひたすら「ぼくは彼女をどんなふうに好きだ」部分の描写だけに注力することにしました。
ところで、テキマニからウラミチを読む人はいきなり目次にリンクされることになるのですが、ワカレミチ本編からウラミチを見に行ってくれる人のために毎日ふつうの日記も書いていました。以下、当時の日記を読みながら振り返ってみましょう。
仕事を定時で上がって家に帰ると、インターホンが鳴りました。
ピンポーン?
うちのインターホンは壊れかけなのか、音が変です。最後のほうがとぎれ気味でひっくり返って、そう、擬音にするとちょうどピンポーン?って感じなのです。
宅急便かなんかかと思い受話器を取って「はい」と言うと、だれも答えない。代わりにドタドタドタっと走り出す音がして、路地の遠くの方で2〜3人のガキが「ギャハハハ」と笑っているのが聞こえました。
「ギャハハハハ、ピンポーン?だって」
「へんな音」
古くから伝わる遊び、ピンポンダッシュでした。
そんなイタズラ、まだあるのか。日本も捨てたもんじゃないな、そう思いました。
彼らの耳の奥に素敵な音を響かせたうちのインターホンを誇りに思いました。
ごめん、ちょっと持っていきすぎた。
***
さてテキストマニア決勝戦。苦しい戦いです。が、ぼくのゴールはあくまで完奏あるのみ。白い白衣の頑固者です。きのう言ったことをもう一度トレースします。
みなさんは1回投票すると同じPCからは24時間経つまで投票できません。つまり一人一日一票ということ。
ぼくはそれに合わせて24時間に1回、毎日午前0時にテキストをアップしていく予定です。予定は未定ですけど。ので明日も見てね。
そして大事なこと。他のサイトもちゃんと見てください。全部見たけどやっぱりワカレミチ!と思って投票してもらえるのが一番です。そう思ってもらえるようなものを書けるようがんばります。
投票時のコメントはもらえると小躍りしますが、単なる「ワカレミチマンセー」みたいのはやめましょう。他のサイトに失礼だし、ぼくはみんなの感想が聞きたいのです。それと他のサイトの悪口を書くのも絶対にやめましょう。あれはやられると相当凹みますし、荒れます。
大会は、いろいろあってなんだか荒れムードなのです。が、だからこそみんなマナーと良心を持って楽しみましょう。このいやな雰囲気を吹き飛ばすにはただひとつ、ぼくらがいいものを書いて盛り上げること。そうみんなで話しています。
さあテキストマニアX決勝戦第2ラウンド。投票は24時間に1回。なので弾かれても時間をずらして再度チャレンジだ。人生はチャレンジだ。
ワカレミチのテキストはこちら。
行ってこいタコ公園!!
上の日記は、なんの気なしに書いた小ネタでした。これを後で小説の中で使うことになるとはこのときは思ってもみませんでした。
そして第2話はこちら。
単なるタイプミスによる誤字があるのですが、これも後でストーリーの中で生かすことになります。
とにかく最初の2話はイントロと決め、最後の暗いオチへ向け落差をつけるためにさほど物語も展開させずにひたすら甘ったるく書きました。なので自分でもいろんな意味でむずむずしました。イントロなので反応はよくないかもしれないとは思いましたが、思った以上に首位との差が開いたため焦りました。
「貴方のサイト気に入りました」
という件名にまんまとつられて、開いてみるとただの迷惑メール。
しかしちょっと引かれたので、試しにリンク先をクリックしてみました。
すると、いわゆるライブチャットというやつです。お金を払うとライブカメラの向こうの女の子とビデオチャットが楽しめます。あなたのチャット次第でワタシちょっとエッチになっちゃうかも?自信のない人は覗きモードもあるのよ。
くだらねー。エロ産業の中でも掛け値なしにぼくが最も金を払いそうにないジャンルです。素直にAV見ろ!
と思ったんですが。
ライブチャットのサイトに、「ON AIR GIRLS」みたいなコーナーがあります。誰でも見れるチャット相手の女の子の画像です。そこで気に入った女の子を探して、あとはお金を払って1対1になり2ショットチャットでウハウハという次第。
そこでは、待機中の女の子たちの様子がライブカメラで見れます。
別にセクシー画像というわけではない、ただの普通の女の子たち。せいぜい少ししなを作って胸を強調したり、ときどき足を組み変えたりしている程度。顔がわかるようにしている子は少なく、いたと思ったら全然かわいくなかったり単なるデブもいる。
しかし、ウェブカメラの荒い画像の中に、「今まさにその子がいる」という圧倒的なリアル感。素人感。ライブ感。
こいつはエロいなあと、ぼくは感心したのです。
***
というわけでテキストマニアX決勝戦第3ラウンド。ぼくが考えるエロスを、ぼくなりにちょっとだけ表現してみました。
ぼくは昔「芸能人で誰に似てると言われる?」と聞かれると、「101回目のプロポーズの江口洋介(の役)(に似たい)」と答えることにしていました。
2位をひた走るワカレミチの姿。そんな感じじゃない?そんな感じって言え!
それでは今日もはりきって、行ってこい恵比寿西口!!
焦ったというか、正直こりゃ勝てんと思いましたよ。なので上の日記は若干投げやりです。
そして第3話はこちら。
この回はタイトルがいいかげんですね。
毎回タイトルを考えるのも、ものすごく大変でした。正確に言うと次の回のタイトルを考えるのが。だいたいの話の筋は決まっていましたが、なにせ何話まで続くかわからないので次の日にどこまで書くかもわからない。なのに次回予告までしないといけない。
リアルタイムで見ていた人は、「赤いピアス」というタイトルの次回予告が3日くらいにわたって後ろ倒しになっていくのを記憶しているかもしれません。
いちおう仕事もしています。毎日たいへんです。
ちょうどドミノピザが20周年ということで、ドミノデラックスMサイズが999円、さらにネットで注文すると5%引き、899円で食えるのです。
で、ピザを頼み、それを2日かけて食います。それが4日目です。
ぼくは頭の中のひとまとまりを書くとタバコを吸うクセがあるので、灰皿がすごい勢いでいっぱいになっていきます。舌が痺れてきます。8箱目くらいでしょうか。
毎日が締め切り間際のマンガ家状態。
というわけで本日は、30分遅刻しちゃいました。タイトルも予定と変わりました。すいません。
ではテキストマニアX決勝戦第4ラウンド。遅刻したぶん、多めです。
それでは今日も力を振り絞って、行ってこいというかウチくる?
第2話の誤字に気づき、このあたりで、現実(ふだんの日記やこれまでのテキマニ決勝戦のテキスト)と小説をリンクさせることをふと思いつきました。
「主人公がテキスト大会でウェブ小説を書いている」というこの小説の根幹をなすストーリーは、こうして偶然ともいえる形で書いている間に生まれたのです。この日の日記も後で小説の中で使うことになります。
ところで、タコ公園というのは恵比寿に実在します。

といってもぼくが通う学校は恵比寿ではなく、たまたま決勝戦の直前に友だちの結婚式の二次会が恵比寿であったので、そのへんをぶらぶらしてロケハンをして使えそうな風景を探したのです。あまり作品には反映されませんでしたが、「学校のある場所」というのも決めていました。作品に反映されていなくても、作者の中でどれだけ作中の風景がリアリティをもっているかは作品の出来を左右するような気がします。
またこのロケハンのときが満月で、雲の中に浮かぶ月がきれいだなあと思ったので、一連の月をめぐる描写につながりました。
すいませんまた遅刻しました。ごめんなさい。
つっても実は今日は仕事から帰って寝てしまったのです。起きたら10時だった。あせったね。
まあ疲れているのですよ。
しかし今は神経がはりつめているのかイメージが溢れているのか、短い眠りでもいろんな夢を見ます。
さっきはこんな夢を見ました。
布団を干しに実家に帰った。
部屋に入ると大学時代のレポートがあった。大相撲の若貴対決についての新聞記事に対する感想で、新聞記事は勝った貴花田の意気揚々としている写真と負けた若花田の落ち込んだ写真を並べ「この写真を見ても勢いの差は明らかで、新旧交代の時が来たことがわかる」と書いている。ぼくはレポートでその記事に対し「偶然の表情を切り取ってイメージを後付けするのはどうか。マスメディアによる情報操作であり、先に結論ありきの間違ったジャーナリズムである」てなことを書いている。
おおこれは大学時代にもいいことを言っているじゃないか自分。これは日記に使おう。
と思って父親のパソコンをつけると、なんと父親のホームページが開く。こんなことやってたんですか父さん。どうやらバスケが好きらしく、バスケ観戦日記などを書いている。しかもフォント弄りぐりぐりだ。父さあん。
そして父さんの今日の日記には、「いよいよテキマニ決勝戦。○○(ぼくの本名)、家族みんなで応援してるよ!」
うわー親バレしてるよ。リンクしないといけないのかなあ。
というものでした。
あい変らず家族が出てくるとヘンな夢。若貴対決で新旧交代したことはなかっただろう。それにレポートで言っているのも超ありきたりのことだし。まあ夢につっこんでもあい変らず意味はないのですが。
というわけで一家みんなで応援してくれているというテキストマニアX決勝戦第5話、遅刻したぶん多めで濃いめ。
それでは今日も、行ってこい科学未来館!!
この日は本当にエイプリルフールでした。そして科学未来館は本当に楽しいのでおすすめです。噴水もウェンディーズもあります。でもまさか、後で女性器を「しめりの海」と表現することになるとは書いていて思いもよりませんでしたが。
なぜか毎回日記の最後に「行ってこい○○!」と締めてウラミチの目次にリンクを貼るのが恒例になっていたのですが、元ネタは当然バスタードの「行ってこい大霊界」です。懐かしいなあ。
第5話はこちら。
このへんからラストへ向けて、音楽でいうとマイナーチェンジといったところです。今から考えると、9話のうち2話がイントロで5話の終わりに転調。期せずしてちょうどいい配分となりました。
きのうの夢には続きがあって。続きというかいっしに見た別の夢なんですが。
パン パン パン
また銃声だ。この前も流れ弾で窓ガラスが割れたばかりだ。最近はぶっそうな世の中になったと、あとで日記に書こう。
パン パン パン パン
まだ止まない。やたら近い。
窓から外を見ると、隣の郵便局を何人かの男が取り囲んでガンガン銃を打ち込んでいる。郵便局のドアを蹴やぶり中に入ると、何かを次々と運び出している。
ぼくは慌てて首を引っ込め、ベッドに潜り寝たふりをする。
窓の外では血まみれになった郵便局員が、無念そうにどこかに携帯をかけている。
その局員を、男が銃で撃つ。近所の家の窓に向かって、片っ端から男が銃を打ちこんでいく。
ぼくの心臓が高鳴る。外では銃の乾いた音が響く。
電話の音が鳴る。
というところでバチっと目が覚めました。汗びっしょりでした。
ふだん「痛くなければいつ死んでもいい」なんて言っているけれど、深層での死に対するイメージは恐怖そのものなのかもしれません。
というわけでテキストマニアX決勝戦第6話。
行って窓を開けて見てみろ。
第6話。このあたりから得票が伸びてきて、首位が近づいてきました。
この日は本当に半月でした。全くの偶然です。あとこれを書くにあたって「深い河」を読み直したということはないので、ひょっとしたら一部でたらめかもしれません。すみません。
とにかくラストへの布石として、「死」を連想させる描写に終始しました。「結ばれない二人が心中」という小説的なありきたりのオチをバリバリに予測させ、それでいて半月だのなんだのはしばしに現実っぽい描写はあるし、いったいこの話フィクションなの実体験なの?と思いながら読んでほしかったのですが・・・どうでしょう。
またワカレミチの日記では、「実体験なの?」部分を補強するためにこうやって暗めの日記を書き始めました。同じ狙いで、このころから気配を消すためにmixiへログインすることもやめました。
結果的にそんな細かい細工で釣られる人はいなかったのですが、表に出ない部分でそこまで作り上げていたというのが物語の成功を支えている、と勝手に信じていますが・・・どうでしょう。
疲れて、とてもお腹がすきました。カレーを食べてきます。
テキストマニアX決勝戦第7話へ
ワカレミチのテキストはこちら
そして日記を完全に疲労困憊モードにしてみました。この日でしょうか、逆転で首位に立ったのは。
ただ、この時点では決勝戦終了(300票到達)の日程を少し読み間違えていました。なので、完全な疲労困憊モードにするのはちと早かったのです。
さらに上の日記、食べにいくのをカレーではなくオムライスにしなかったことを、後で心から悔やむことになりました。
なお第7話は、ウラミチの中でいちばんおもしろかったという声も多数。書いているほうは手紙だけで半分以上紙面を費やしてズルいなあと思いながらアップしたのですが。
作中でも使われたインターホンは、今では「ピンポーン?」とも鳴らずに「ウゥ〜ン・・・」と断末魔の呻きのような音がするのみです。
さあ、もう少しです。
テキストマニアX決勝戦、第8夜。試合場はこちら。
そしてワカレミチのテキストはこちら。
第8話。個人的にはこの回がクライマックスです。
「ぼくらは、とんだ方向音痴だ。たどり着くのが、遅すぎる」という一文を書いた後は、誰かが勝手に書いてくれました。書いた後も興奮でしばらく眠れませんでした。
ただ、いま読んでみると・・・セックスの描写、しょぼっ。
とても疲れました。
テキストマニアXはこちら。
ワカレミチのテキストはこちら。
日記を疲労困憊モードにするのが早すぎたため一行日記が続きましたが、それもこの日で終わりです。
最終話である第9話は、ぼくにしてみれば読んでいる人がみんな予想しているオチに落ち着いたと思っています。そういうオチを予想してもらうように書いたつもりです。
そして、目次の下にあった「この物語はフィクションです」の注意書きを消します。ここで少しでも「ほんとに、この作者心中しちゃったんじゃないだろうか?」と思ってくれた人が何人いただろうか・・・それがこの物語の最大のポイントなのですが・・・・。
これをアップした後に「大丈夫?生きてる?」と言った確認のメールや電話がじゃんじゃんと!というのを期待していたのですが、それらしきものは一切ありませんでした。あーはは。
しかし、めげずに当初の予定通りエンドロール後のもうひとひねり。テキマニ決勝戦は終わってはいません。次の日の午前0時、ストーリーが終わったと思われたワカレミチに念のためアクセスしてみると・・・・。
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しかししばらくして・・・画面は真のエンディングに切り替わる。
そして下の日記に戻ったのでした。
あーはは、みなさんびっくりしましたか?
ここ数日は少しでもリアルさをかもし出すために徐々に日記を疲れモードにしたりミクシィにもログインすらしないようにしたり、メールやBBSにもレスしないようにして気配を消してみたんですが、もちろんぼくは生きてます。ワカレミチは閉鎖されていません。文章は、みんなの心の中に永遠に残るのです。ってもうええっちゅうねん。ああ久しぶりにこういう軽いタッチで書いてると気が楽だな〜。
さて、テキストマニアXにおける2ヶ月にわたるワカレミチの戦いも、どうやらこれでおしまいです。
長い長い2ヶ月でした。
テキマニはまだ決勝戦の最中です。いまんとこ勝ってますが、最後の最後のはテキストというより飛び道具なんで、どうでしょうね。でも決勝前に言ったように、そして「彼女」も言っていたように、結果なんてどうでもいいのです。「100%自分の書きたいこと、読みたいことを書く」という目標が完全に達成できました。こんなに気持ちいいオナニーはありません。シャイニング式オナニーです。雪崩式垂直落下オナニーです。大満足です。もしそれをみなさんもおもしろいと思ってくれたなら、こんなにうれしいことはありません。
みなさんおつかれさまでした。
くりごはんさん、大会7日目まで一瞬たりともトップを譲らず走り続けたその実力には脱帽です。いまんとこうちが僅差で勝ってますが、まだどうなるかわかりませんね。このあともし逆転されたら素直におめでとうです。もしうちが勝ったら、相手が悪かったな、です。
ゆみのおしゃべり広場さん、大会を通して最もしっかりした自分のスタイルを持っているサイトのひとつだと思います。「自分が楽しんで書く」という姿勢もビッシビシ伝わってきました。6日目の最後のメッセージは、ワカレミチへのエールだと勝手に解釈して決勝戦を戦ったものです。
Long Skill DXさん、3日目くらいにやっとあなたのネタの真意に気づいて愕然としました。ふつうに本名でエントリーしてしまった自分を心から悔やみました。自分のスタイル、あなたも間違いなく持っていると思います。「俺が期待されてるのはこれだ」とつぶやいて決勝に望んだあなたの横顔、素敵でした。
アルティメット・ジェッター・中村くん、いいレスラーに出会いました。2回戦で新たなフィールドへ導いてくれたことと、そして店長が有能な店員を得たことは、今大会におけるワカレミチの最大の収穫のひとつです。これからもよろしく。(イラストを。)がんばれTFC。
テキストマニアXを主催したとも・リーさん、おつかれさまでした。こんなアクセス100件足らずのサイトに脚光を浴びる舞台を与えてくれたことに感謝します。ぼくらはただ自分の出番のときのみ張り詰めればいいのだけれど、それを毎日続けた努力は間違いなく賞賛に値します。おつかれさまでした。
そしてワカレミチを応援してくれたみなさん。楽しんでもらえたでしょうか。テキマニ経由ではなくワカレミチからテキマニに行ったみなさんには、さらにウラミチを楽しんでもらえるようにいろんな仕掛けをしたつもりです。
明日は恒例のテキマニ回顧録で締めようと思います。そしたらしばらく休みをください。くれ。現実世界では今日から学校が始まり、ぼくはせっかくの春休みをまるまるテキマニに費やしてしまったのだよ。そして落ち着いたら、このどうでもいいたくさんの仕掛けに満ちた小説をじっくりと解説したいと思います。
とにかくみんな、疲れたよ。花見もしてないんだ、飲みに行こうぜ。こんどはネタなしで。きっとうまい酒が飲めることでしょう。
それでは、今度こそテキストマニアX決勝戦最終夜。残すところあとわずかです。
ワカレミチのテキスト、これにて完結!
というわけで、長い長いテキマニ決勝戦、「ウラミチ」は幕を閉じました。
応援してくれたみなさん、本当にありがとうございました。
最後に次の日の、テキマニ回顧録をどうぞ。
テキストマニアX決勝戦、ワカレミチのテキスト全編はこちら。よく書いた。
4回戦が終わったときに「最後まで音のイメージができている」ということを書きました。それは準決勝で陰嚢祭りのネタを書き、決勝戦で連載小説を書く、というものでした。
決勝はエンドレス。長い戦いになります。毎日の日記で勝負するかそれとも別の何かをやるかというのは悩みましたが、ある程度まとまった長さの文章を書くことになるのだから、これまでワカレミチではやったことのない「フィクション」というジャンルに挑んでみたくなったのです。フィクションも、きっとふだんの日記の延長。日常を切り取って貼り付ける、その貼り付けかたがいつもとちょっと違うだけです。
そこで決勝にいたるまでの5試合は「自己紹介」に終始しました。ぼくは働きながら料理学校に通っていて将来お店をやりたくて文章を書くのが好きで・・・5試合のそれぞれのネタは表現方法こそ違えど、すべて決勝に向けた前フリでした。
そして見てくれる人に「ぼく」というキャラクターを十分に理解してもらったうえで、決勝は「ぼく」を主人公にして物語を展開することにしました。書き手としても読み手としても、小説の難しさのひとつは人物や背景の説明が終わらないと話が進められないところにあると思うのですが、今回は決勝までにその下準備は万全だったのでいきなり物語に入っていくことができたわけです。
ただ、何話になるかわからない中で書き進めていくというのは非常に困難な作業でした。もともとふだんの日記でも書きかけで「続く」ということは絶対にしない。2回にわけるにしても、最初から最後まで全部書き、整合性をもたせたうえで半分に切って「続く」にしたいタチでした。どう転ぶかわからない連載なんてありえないと思っていました。
決勝は、その絶対にやりたくない「書きかけで続く」ということの連続。正直キツかった。しかしそれにより、自分でも思ってもいないような効果が生まれたのは書いていて驚きでした。後で「ああしとけばよかった」という後悔も多々ありましたが、それよりも自分で何気なく書いた一文が後で生きてくる感動のほうが大きかった。意図しない誤字すらもあとでネタになりましたし、主人公がリアルタイムで小説を書き続けているという筋はほんとに途中から思いついたものです。こういう書いている間のひらめきというか一瞬のサイドチェンジのようなものは、連載形式でなければありえないことです。
そして現実と一体化してストーリー展開していくことの楽しさ。前の日の日記が次の日の小説のネタになる。現実の月の満ち欠けもネタになる。フィクションもふだんの日記も同じと書いたけれど、ほんとにそう。現実をどう解釈して表現するかのやりかたが違うだけなんだなあと思いました。
最後には見るもの全てがネタになり、全身文学的性感帯状態。不思議なトランス状態に包まれた10日間でした。個人的には「欠けない月」の回がクライマックスで、あれを書き終えた後にはしばらく興奮で過呼吸のような状態に陥りいつまでたっても眠れませんでした。幸せな体験でした。
さらに、どうせウェブ上で小説を書くならば、紙媒体ではできないことをやろうというのも狙いの一つでした。ホームページをやっている自分を主人公にしてホームページのネタを小説の中にちりばめるというのもそうですし、最後に主人公たちにテキマニの決勝戦をリアルタイムで眺めさせたりもしました。結ばれない二人が死を選ぶというのはありきたりのストーリーで、かつ個人的には救いがなさすぎて好きじゃない展開なので、サイトを消して驚かせて現実味をもたせ、そして「これはフィクションなんですよ」という終わりにすることである意味での救いを与えようとしました。あんまりみんなひっかからなかったみたいだけどね。あーはは。
ここまでポップ、ロック、グルーヴ、サイドB、バンドと続いてきたテキストマニアXでのワカレミチの挑戦は、これで全て終わりました。最後は思い通りの9曲入りフルアルバムが完成、ボーナストラック1曲収録。最高の出来でした。優勝という最高の結果を得ることができました。
これもすべてみなさんのおかげです。いやマジで。最初のうちは大きく首位に水を開けられていて、正直心も折れかけた。とりあえず大会終了にあわせてオチを持ってこれればいいやくらいに思った。
でも当初から投票コメントの多さと濃さではワカレミチが群を抜いていました。いつも無口な常連さんがどうやらコメントでは大活躍してくれて、また初めて読んでいると思われる人もハマってくれて、「みんな食いついてくれている」という手ごたえがありました。だからポイントでは負けていてもテンションを切らさずに書き続けることができ、最後の逆転につながったのだと思います。
タッチの復刻版かなんかの広告で、あだち充が「読者の熱気に押されて最後までいっちゃったって感じです」みたいなコメントを書いていたけれど、ぼくもそんな感じでした。ちょっと言いすぎ?でも、その手ごたえがあったからどんどんストーリーが膨らんでいったのはまぎれもない事実です。
文章には命がある。言葉は何かを動かす。今回ぼくはそれを実感しました。人知れず3年間研ぎ続けた包丁、振り回してみたらけっこう切れた。少し自信がつきました。またがんばろうと思いました。
書き終えて、いまは急速にしぼんでいます。この日記ですら、書くのに一苦労しています。自分の言いたいことの半分も言えてないような気がします。すっかり文章の書き方を忘れてしまいました。
しかし逆に言うと、それほどまでにこの10日間は充実して書けていたのだなあと、キーボードを前にしてしみじみと思います。
しばらく休みをいただいて、また書きたいことが見つかって、書き方を思い出したら、いつもの日常に戻ります。
どうもありがとうございました。そしてまた、よろしくね。
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