ISARA

2005/8/21

きのう8月20日、吉祥寺に新しいクライミングジム「ISARA」がオープンしまして、さっそく行ってまいりました。

ことの始まりは某所で、洋品店softsを営んでいるがりさんの「友だちのクライミングジムの設営を手伝っている」という日記を偶然読んで、しかもそれがうちからけっこう近くにオープンするそうじゃないですか!ぜひぜひ、ということで仲良くさせていただいていたのです。
クライミングジムの設営をしているというのはレトリックではなく、文字通り手作業で工事をしたそうです。最初にその話を聞いてからけっこう時間が経ち、ようやく完成とあいなりました。


「ISARA」とは、タイ語で「自由」とのことだそうです。フリークライミングの「free」というわけですね。場所は、がりさん曰く「武士の情けで吉祥寺から徒歩15分」とのことですが、ぼくは幸い原付で行ける距離です。地図を見ながら駆けつけると・・・なかなか見つからないな・・・・あった!



表通りから少し奥に入り、思いっきり民家の中。隠れ家っぽいひっそりロケーションです。

初めてのジムなので少し緊張しながら中に入ると、オーナーであるANDOさんが「お客さんだっ」と飛び切りの笑顔で出迎えてくれました。
ANDOさんとは初顔合わせですが、テキパキした桜庭和志といった風情の、人の良さが印象的な素敵な若者です。ぼくは得意のドーナツ差し入れ攻撃でポイントを稼ごうかと思ったのですがちょっと時間がなくて、代わりにアイスを持っていきました。とても喜んでいただけました。

が、冷蔵庫くらいあるだろうと思ってアイスを持って行ったのですが、はたしてまだ冷蔵庫も準備していないとのこと。ジムは文字通り手作業で作っており、まだいたるところに木屑が散らばっていたり工具があったり。二階にいたってはまだ工事中なのです。荷物はどこに置けばいいですか?「あ、そこに引っかけといてください」。って見ると壁に打ってあるビスがフックのかわりになっています。そんなアンダー・コンストラクション。でもいいなあこの手作り感。
溶けちゃあいかんということでぼくもアイスをいただきながら、入会の手続き。会員番号、なんと2番!1番は手伝ったがりさんのものだそうなので、ぼくはフリーの客で最初の会員という名誉をいただきました。
ANDOさんはほんとにいい人。桜庭に似ているだけあってどこかトボけています。
がりさんの日記で「ANDOの中高のサッカー部OBの試合に混ぜてもらうことになり車で向かったがANDOが試合場所を知らず、心当たりをいくつか回ってサッカーをやっているところもあったが『知らない人たちだ』というので合流せず、けっきょくうろうろしているうちに試合の時間は終わり、最初にサッカーをやっていた人たちが実はチームメイトだった」という話を読んでいたのでどんな人かと思っていたのですが。課題を前に「ここを両手でスタートで、正対で右足はここです」ってそこ右足は無理でしょ!?と言ったら「あ、左足ですね」。っていうのが2回ありました。とても素敵な方です。

ほどなく、自転車で10分ほどのところに住んでいる底石さんも合流。(会員番号3番。)さっそく着替えてボルダリングに挑戦です。
ここでちょっとジムの全景を。
東京郊外の路地にすっかり溶け込んでいるISARAですが、もとは倉庫かなんかだったところを改造したそうです。ちっちゃなアパートくらいの面積で、2階建ての建物の真ん中をくり抜いて吹き抜け状にして、その四方にボルダリング壁がセットされています。床は一面マットです。



これは、マットに寝転んで上を見上げて撮った写真です。
決して広くはありませんが、新しいマットや新しいホールドは気持ちいいなあ!(たいていクライミングジムのマットはカビの香りがします。そしてホールドはチョークで真っ白でヌメヌメするのを、歯ブラシでゴシゴシしながら登ります。)
そして、決して広くて人がいっぱい集まるようなところではありませんが、こうして寝転んで休憩しながら壁を眺め、「あそこがスタートで、右手、左手、・・・さいご遠っ!」なんてオブザベーションできたりするのが心地よいのです。

肝心の課題のほうは、8級・7級は初登で難なくクリア。ですが6級で底石さんもぼくもつまづきました。よってわれわれ二人のグレードは7級と決定。
ところでこのジムの課題の特徴の一つは、「PCAのビデオにあるような、リップに丸太のゴールを付けました」とのこと。意味はよくわからないのですが壁の一番上が木の手すりのようになっているところがあるのです。ふつうボルダリングの課題は、壁の上のほうについているあるホールドをつかんでゴールになるのですが、ISARAは壁のふちの手すりがゴールになっている課題がけっこうあります。小さなホールドではなく大きな手すりがゴールになるので最後の一手がやや遠めに設定されているようで、最後は思いっきり手を伸ばして手すりをガバっとつかんでクリアとなります。だからクリアできない課題は、最後の一手がどうしても届かない!ということになるわけで、クリアできそうでできないギリギリ感をたっぷり味わうことになります。これはオススメです。
そしてボルダ壁のひとつに、5メートルほどのものがあります。これは2階建てのジムならではの、他のジムのボルダ壁にはなかなかない高さです。これまで行っていたB−PUMP国分寺では、高さはせいぜい3メートルくらい。落ちても痛くないという安心感があり、どうしてもダレる部分もあります。でも5メートルは、さすがに高い。ビビりながら、そして最後の一手で勇気を振り絞って丸太のゴールをつかむ!その爽快感はなかなかのものです。それが存分に味わえるISARAの「7級の赤」は、T−WALL錦糸町の「黄1」や「青4」と並ぶ初心者たちの名所になりそうな予感です。

あとは、もっと高いトップロープ壁もひとつあります。(低めの壁で道具をいっさい使わずに登るのが「ボルダリング」で、命綱を付けて高い壁を登る種目が「トップロープ」。)
まだ課題ができていなかったのですが、「トップロープもやってみますか」と言ってANDOさんがひょいひょいとホールドのボルトを締めてとりあえず完成させて、試しに登らせてくれました。



未体験の高さ。これはおもしろい!(ただ、上のほうはすげー暑い。)
トップロープ壁の完成も待たれるところです。

壁はまだまだホールドも少なく、課題数も少ないです。ぼくらが登っている間にも、ANDOさんとルート設定者の室井さんの二人でずっと課題を作っていました。室井さんは、ぼくも名前を存じ上げていたほどのとても有名なクライマーで、ネットではよく「ネチっこい」と評される方です。
ひょうひょうとした風貌で、ネチッネチッと壁を登りながら課題を作り、できた課題にシールを貼っていきます。



ぼくはいつも「ボルダリングの課題ってどうやって作っているんだろう」と思っていました。それを目の当たりにしてちょっとうれしかった。
どうやら、「これで登れるかな?」と考えながらまず仮にルートを決めて、それを試行錯誤しながら実際に自分で登ってみて、それで登れた!これくらいの難易度なら○級だな、そうやって作っているみたいです。
室井さんが「うーん、もうちょっとなんだけどなー、くやしいなー」とか言いながら、ちょっとずつ自分で想定した課題をクリアしていって、そして最後に登りきって「これは二段だな」とネチっこく、いや、誇らしげに言う姿が印象的でした。
どんなに上級になり課題を作る側になっても、もうちょっとなんだけどなーくやしいなーとか言いながら、ちょっとづつ登っていくものなんですね。ぼくらとおんなじだ。
料理とも似ているかも。こうやったらおいしいんじゃないかって試行錯誤して、それでいろいろやってみて、最後に思い通りにおいしくできた!これはお店の看板メニューになるぞ!みたいなね。

そうそう、そういえばまだ工事中の2階は、そのうちANDOさんの彼女のレナさんの手によるカフェがオープンするようです。クライミングジムの2階のカフェですから、きっと階段ではなく課題を登りきって席につく店になるのだと思います。そしてクリアした課題によってオーダーが勝手に決まります。8級だとアイスコーヒーです。7級でガムシロがつきます。ランチを食べるのは、ぼくはいつの日になるでしょうか。
そんなことはないですね。


ISARAでひとしきり登ったあとは底石さんの家に行ってごはんを作って食べて、帰りにまた原付でISARAの前を通ってみました。けっこう人が入っていました。夜は夜で、薄暗い照明の中で壁を登るのも楽しそうです。

けっきょくぼくはできたての、まだ作りかけのそのジムがすっかりお気に入りになりました。
まだ課題も少なくて、これからできていくのだと思います。場所柄、大フィーバーするということはないかもしれません。なんたって、ぼくや底石さんは原付やチャリで行けるからいいけれど、「武士の情けで」駅から徒歩15分です。でも自分の手で、好きなように作っているというところ。
勝手ながらぼくは、このジムがこの先どういうふうに完成していくのかを、いっしょに登って見てみたくなったのです。

私の勉強法

2005/8/23

「テンチョ」のコーナーを久しぶりに更新しまして、ようやくリンク追加です。ほぼサイト開設後初の大型追加なので、追加しないといけないはずなのに長いことお待たせしていた人も数多く、失念しているサイトもありそうな気がすごくします。悪気はないはずなので自分のサイトがなかったら遠慮なく言ってください。ただサイト紹介文がやる気ないという苦情は受け付けません。

そして「アーカイブ」のコーナーも更新しました。といっても本を読んでいないので申し訳程度に料理の本などを追加しただけなのですが。
その中で、「パスタの基本」というレシピ本がいまお気に入りです。さまざまなスパゲティの基本とそのオリジナリティ溢れる応用で、読んでいるだけでも「あ、あれ食べたい」「今度はこれを作ろう」となり、ここしばらくは毎日のようにその本を参考に食事を作っていると言っても過言ではありません。



で、その中で「マヨ&卵黄のぶっちぎりカルボナーラ」というレシピがありました。

以下、本の引用。

マヨネーズを使ったかんたんカルボナーラ。
これが、あなどれない。
マヨネーズは味も完成しているし、
独特のまろやかさがある。
ここにパルメザンチーズとベーコンの脂を加えれば、
カルボナーラソースが、ほらできた。
ぶっちぎりでいけるんだから!


・・・うまそうじゃありませんか。
さっそく作ってみよう!

えー、まずは材料。ベーコン120グラム。5ミリ幅に切ってフライパンで弱火で炒める。ふむふむ。
次にボウルにマヨネーズと卵黄を入れて混ぜ、オリーブオイルを少しずつ加えて混ぜ込む。ふむふむ。量は、マヨネーズが100グラム。・・・マヨネーズ100グラム?
オリーブオイル100cc。・・・100cc?
ちょっと多くないかい?

しかしまあ、行列のできる店のシェフの言うことですから信じましょう。そりゃあ濃厚なソースができることでしょう。
で、指示通りにマヨネーズに、オリーブオイルと卵黄とパルメザンチーズを混ぜました。
ひと口なめてみて・・・濃っ!
ただし濃厚というより・・・・ただの油分?

まあ、このソースをあえる前に、別工程でベーコンを炒めてゆで汁を入れて水分と塩味を加え、まずはそれを麺と絡めておくのです。皿の上でベーコンの旨味と合わさると、ソースの味も変わってくるのかもしれません。仕上がりに期待して調理続行としましょう。

が、ここでソースのあまりの濃さに動揺したか、ぼくはベーコンを炒めたフライパンに少しゆで汁を入れすぎてしまいました。ちょっとしょっぱいかな?
まあいいや、特濃ソースと合わさって、皿の上での化学変化に期待です!

いま考えると、少し焦っていたのかもしれません。

よく考えずに、フライパンにゆでた麺を入れ、ソースをドバっと放り込んで、ぐちゃぐちゃっとかき混ぜて、皿の上に盛る!
見た目は・・・黄色い重厚なソースが麺にがっちりと絡みついて、フォークで持ち上げても麺は一本も落ちないのです。超うまそう!!

いただきまーす!


・・・。
・・・・・。
ギャァァァァァァァツ。


特濃ソースは、味見のときと同じで、ただの油分。(あたりまえ。)
さらに、ベーコンだけの時点でちょっとしょっぱいかなと思った塩味は、チーズも加わって激辛に。


大・失・敗。

久しぶりにごはんを残しました。


ていうかね、レシピが間違ってるんだと思います。

卵黄2個。これは別にふつう。
でもマヨネーズ100グラムつったら。市販のキューピーマヨネーズのいちばん小さいパックが50グラムですよ。ひと昔前にマヨラーが携帯するマイマヨとして脚光を浴びたあのサイズですね。あれが2本分です。お茶碗に1杯くらいです。
そしてオリーブオイル100cc。0.5カップ。これもいかにも多いです。ていうかマヨネーズ自体が酢+卵黄+油なわけで、マヨネーズに卵黄と油を足して混ぜ込むというのはいわばマヨネーズの二乗ですよ。さらにそこにパルメザンチーズもって。何カロリーやねん!

と思ったので、レシピの材料を手元の食品標準成分表で調べて電卓をたたいて栄養計算したところ、エネルギー総量2940キロカロリーとか、動物性たんぱく質比率60%とか、驚異的な数字が出ました。本では「マヨ&卵黄のぶっちぎりカルボナーラ」というタイトルでしたが、ぼくが店で出すならこれは「死の四重奏」にします。

■ワンポイント食品学

死の四重奏・・・高血圧・高脂血症・糖尿病・肥満。複数が合併して発生することが多く、そうするとなにかと死にやすい。


いやいや、店で出すなって。
たぶんレシピはマヨ10グラム・オリーブオイル10ccのまちがいだよね。卵黄とパルメザンだけでもカルボナーラはできるんだから。
こんど10グラム・10ccで、試しに作ってみよっと。



と、長々と書いてきましたが、実はこう見えてもワタクシは勉強中なのです。来週は学校の期末試験なのです。
死の四重奏は食品学の試験に出ますし、失敗パスタの栄養計算ができたのは食品成分表を持って帰ってきていたからなのですよ。おかげで栄養計算はもうバッチリです。こうやって実体験に引き寄せて覚えるのがいちばんです。


では次は、体で覚える食品衛生学ということで、賞味期限の切れた食品の摂取にチャレンジ!

もうええっちゅうねん。


それではそろそろ勉強に専念することにしましょう。

天気予報

2005/8/24

きょうは朝からサイフを忘れ、学校に行っても実習でカブの八方剥きに大失敗し、指を切って、班員の動きが悪くえらく時間がかかり、辛子酢味噌の味付けにパンチがなく、キヨの炒め物が激マズで、けっこう気に入っていたピアスをなくし、帰り道に原付がガス欠になった。ひどい一日であった。

が、こうして書いてみたけどたったの130文字ですか。

サイフを忘れたといっても家に置き忘れたのはわかっていたのでちっとも焦らなかったし、1000円借りてお昼は食べられたし、ピアスは300円で買ったものだし、帰りに原付を押して泣きながら帰ったというわけではなくポケットに入っていた昼食のおつりの500円でふつうに給油できたし。
と、けっきょく同じく130文字でリカバリーできてしまうくらいのものだったような気もします。別にひどい一日なんかじゃなかったのかもしれません。

そうだね、止まない雨なんてない。
明日はきっと晴れるさ、がんばろう!


と思ったけど、天気予報を見ると明日は大雨という罠。
原付には乗らずに、傘を持ってでかけましょう。

運命

2005/8/25

一年ぶりのその占い師は、ドアを開けたぼくの顔を見るなり言った。

「あら、ずいぶんと充実した一年間を送ったみたいね」

ぼくは小さくうなづいて、椅子に座った。




ってな展開を期待していたのですが。
ぼくに対し「死神きちゃうよ」と言った占い師のところに、ちょうど一年ぶりに行ってみました。

はたして彼女は、ぼくが書いた氏名・生年月日などの紙を見て、来店「2回目」の○に目を止め「あら、前にも来ていただいたのね」。
全く覚えちゃいない様子でした。
そりゃそうか。前回ぼくのことを「何百人も見てきて、めったにないほどに生命力が落ちている」と言い放ったくらいで、ちょっとは印象に残っているかとも少しは思ったのですが。


ぼくは、占いはちっとも信じません。占いで自分の行動の指針を決めるなんて愚の骨頂だと思います。名前や生年月日や生まれた時間の星の並びにより運命の流れのようなものが決まるとは思えないし、いわゆる占い師の類の人にそういった流れを感じ取る特殊な能力があるとも思いません。
でも、信じなくても受け入れなくても、占いを興味本位でただ聞くのはけっこう好きです。去年言われたことの細かい内容は忘れちゃって、言われたとおりに生きてみたつもりもないけれど、こうしてまた来てしまいました。
ひょっとしたら占い師は、「あなたは○○な人かもしれません」とぼやかして言ってみて相手の顔色をうかがい、食いついてくるようならその筋で話を展開し、食いついてこないなら別の話をして、そうして相手が聞きたい話を引き出しているだけなのかもしれません。それなら占い師の特殊な能力とは、運命を見通す力というよりむしろ、相手が意識的にせよ無意識的にせよ心の中に抱えている思いを引き出すことだと言えます。占い師はカウンセラーのようなもので、その口から語られる未来はけっきょく聞く前から答えが決まっているのかもしれません。だとしたら、そいつはたしかに運命だ。

そして、いまぼくが聞きたかった答えとは。もちろん「これからどうすればいいのか」ということ。
ちょうど一年前、会社をやめて仕事もろくにしていなかったぼくに対し、占い師は「死神きちゃうよ、もっと腰を据えてひとつのことに取り組まないと」と言いました。それはぼくの心の中にある思いとぴったり一致するものでした。それからぼくは学校に通い、なんだかんだ言いながらひとつの仕事を続け、けっきょく占い師の言ったとおりに腰を据えて一年を過ごしたわけです。そしてそれは確実に、ぼくの中にひとつの手ごたえを残しました。

来年の3月の卒業にさきがけ、もうすぐ学校の学費の支払いが終わります。決して安くはない額で、ぼくはこれまではそれを払うためにいつもイライラしながらなんとか耐え抜いて昼のバイトでお金を稼いできました。まだ予断は許しませんが、なんとか10月の支払いを(若干の短期融資に頼るだけでw)乗り切れそうです。だから、10月以降ようやく昼のバイトに自分のやりたいこと・やるべきことを選ぶことができるようになります。
それでは、これからどうしよう。これまでは、イライラさせられつつも「学校に通い、そのために昼間は辛抱して働く」という図式はとてもわかりやすく、それさえやっていれば正解というどこからみても正しい解答がありました。しかしこれからは「学校に通うため」というわかりやすい大義名分はなくなる。その次に、なんのためにどこに向かって歩いていくべきか。卒業はまだ先ですが、そろそろ考え始めなければいけないタイミングなのです。そして卒業したら、学校のように答えを教えてくれる場所はもうないのです。

いつか自分で飲食店をやりたいと思っていて、この先どうしようか考えているところです。

一年前と同じようにぼくは占い師に言いました。
一年前と同じように占い師は、紙に書いたぼくの生年月日を見てなにやら計算をして言いました。

「そうね、組織に属するのではなく、自分で何かをやる仕事にあなたは向いています。お店をやるというのは間違ってはいないでしょう。そしていま、そうねこの先3〜4年くらいは、力を蓄えるときです」

やはりぼくは、小さくうなづきます。
一年前と違うのは、ぼくにはもう「死神」はいないということです。
なぜならそれは、ぼくの心に「死神」がいないからです。


そしたらあとはなんだか、拍子抜けするようなコメントが続きました。拍子抜けというより、日記のネタにはならないというか。ぼくはまた「死神きちゃうよ」級のズバリ言うわよ的なキャッチを期待していたのですが。占い師は「あなたの運気は、これからどんどん上がっていきます」とか言います。
そう言って彼女は手を、右上に向けてひらひらとかざしました。「去年より今年、今年より来年と、年を追うごとに満足が得られるでしょう。大器晩成というか」

こちらから見ると、占い師のその手は右肩上がりではなく、左上に向かって見えます。
でもその言葉は、やはりぼくにとってうなづける言葉です。
ぼくは、去年のぼくよりおいしい料理が作れる。去年のぼくより文章が上手だ。このままがんばれば、もっと上手になる。
ぼくは、成長していく。これからもずっと。
それは生きているうえでまぎれもないぼくの実感です。まだ早いですがこの年になると、肉体的にはぼちぼち衰えというのもあるようで、疲れやすくなったとか酒が弱くなったとか無理ができなくなったとか、周りからは「もう年だな」なんて声も聞こえます。
でもぼくは、肉体的にはどうだか知りませんが、ぼくの頭は年を追うごとにどんどんいろんなことをわかっていくように思うのです。学生のころより社会人になってからのほうが、社会人のころより会社をやめてからのほうが、麺こてのころよりワカレミチになってからのほうが、去年より今のほうが、いろんなことを「掴め」ているように思うのです。そしてこれからも、きっとそうです。きのうわからなかったことが今日わかるようになった、それがぼくにとっての生きている実感であり、今日わからないことが明日わかるようになるかもしれない、それがぼくにとっての生きる意味なのです。

ただ、「成功する」とはいっても、「経済的に成功するとは・・・ちょっと考えづらいです」とも言われました。「それに、あなたの場合タナボタ的な成功はないです。この先相当努力が必要です」とも。
はたしてそれは成功というのか。そしてラッキーによってではなく努力によって成功するというのはあたりまえの話で、今後の運勢のでもなんでもないのではないか。

まあ、占いなんてそんなもんです。そして経済的にどうとか、ぼくはあまり興味がないのも事実です。
最後に彼女は「またご相談があったら来てください」と言いました。
そうなのだ、相談なのだ。答えはもう心の中にあるのだ。


***


最後にもう一度綿密に、手元の資産と、これから入ってくるであろう給与、支出を計算して、やはり9月末に昼のバイトを辞めて10月7日の学費の支払いをして10月15日の最後の給与をもらう、というサイクルがベストだという結論に達しました。そして9月末に辞めるとなると、1ヶ月前には雇い主にその意思を伝えねばなりません。

ボーンヘッドマネージャーを別室に呼び出し、「10月の契約更新はせず、業務終了でお願いします」と告げました。
ボーンヘッドさんは一瞬絶句し、「・・・慰留しても、店長さんのことだから、意思は固いんでしょうね・・・?」と言いました。

「はい、規定路線なので。ご理解ください」とだけ告げて、あとは健康保険の任意継続と9末までの源泉徴収票の発行の手続きなどを依頼しました。


***


さて10月から、新しい仕事をしよう。当然というか、やっとというか、ちゃんとした飲食店でアルバイトをしたいと思いました。

調理師学校に通っているとそういった求人は山ほどあるわけで、働き口にはまあ苦労しないでしょう。就職課に行けばファイルに求人の束があります。あとは飲食関連の求人誌も置いてあって、それをもらってきました。
といっても、アルバイトは即勤務が基本ですから、10月スタートとなると本格的にバイトを探すのはもう少し先かなと思っていました。求人誌もパラパラと眺めていただけです。

ああそういえば、一軒働いてみたいお店がありました。
学校の近くにあるイタリアンの店です。ぼくは外食はあまりしないので好きな店というもの自体が数えるほどしかないのですが、そこはおいしくて大好きで、みんなを連れて行ったこともあるし日記にも何度か書きました。ペペロンチーノがおいしい店です。前から、働くならこんな店がいいなあと思っていました。

そこで学校の前にちょっと立ち寄って、「キッチンのバイトって、募集してますか?」と聞いてみました。

すると応対したホールの人は、「バイトは基本的にホールだけで、キッチンは社員だけなんですけど・・・ちょっと待ってください」と言いました。いま責任者を呼ぶのでと奥の席に通され、まいったなー募集してるか聞きたかっただけなんだけどなーとか思っているうちにアイスコーヒーまで出してくれて、ほどなくその店の店長という人がメモを持って登場。いやホントお忙しいところ突然すみません、ちょっと話聞きたかっただけなんですけどとか言いながらいきなり面接がスタート。うちの学校の生徒は近いだけあってけっこうよく雇っているそうです。
ひとしきり話して、では近日中に電話で連絡します、ということになりました。

ううむ、展開早いな、こっちもまだ深く考えてなかったんだけどなー。飲食店で働くのはいいけど、収入が減るので、そのへんはよく計算しないといけないのです。
でもあの店はおいしいし、学校のすぐ近くだし、店員さんもよさそうだし、店の大きさもイメージどおりだし、都合がついて働けたらラッキーだよね。

と思っていたら、学校の授業中にさっそく電話がかかってきました。
休み時間に折り返すと、「うちの社長に連絡してください」
で言われた連絡先に電話すると、「一度会って話をさせてください」。で、月曜日に面接を受けることになりました。昼のバイトは早退しちゃおう。

ううむ、展開早いな。


***


こうして、自分が回すと決めさえすればすぐに、運命はぐるぐると回り出すのである。

私の勉強法A

2005/8/26

栄養学では2年次の授業の最後に、班でテーマを決めて料理のレシピを考え発表します。前にもグチったのですが、10ある班のテーマはことごとく「夏バテ防止」「美肌」「ダイエット」に集約されており、抵抗むなしくうちの班も「韓国風スタミナ炒め」と「目指せ赤ちゃん肌!プルプルストロベリー」とかいう箸にも棒にもかからない2品について発表することになりました。
しかもうちの班長は、ものすごい押しの弱いおっさんなのですが、彼は全くグループワークを仕切ろうとせず、うちの班は授業中の3回の打ち合わせを尻切れトンボなままに終えていました。そしていざ発表前日になり、発表どうすんだよ!と詰め寄ったところ、彼は無言でグループワークの資料をぼくのほうに差し出しました。

発表しろってか?
打ち合わせもちゃんと終わってないのに、あとはよろしくってか?
いいよ、やっちゃうよ!?

そのかわり、
@経費を使わせてもらう。5000円くらい。割りカンしろ。
A好き勝手にやるぞ!
ぼくはこの2点を彼に要求し、発表のための資料を持ち帰ってひと晩構想を練りました。

そしてきょう、学校に行く前にハンズに行って小道具を購入し・・・。





コスプレ完了!

これは、食品学のきみまろ先生のマネです。
きみまろ先生はうちの学校の卒業生・在校生なら全員知っている名物教師で、漫談口調の講義が非常に印象的な人です。それを完全再現して発表してやろうというわけ!

クラスの人にはもちろん、班の人にも全く内容は知らせずに発表に臨みました。
うちの班の順番になって、ぼくはおもむろにハンズの袋を持って教室の外に出ました。着替える時間があるのでその間、班の女の子に「・・・今日は、スペシャルゲストを呼んでいます」とだけ発言してもらい、そしてぼくはこの格好で悠然とリングイン!

いやーウケました。



そして出席の取り方・マイクの持ち方・口ぐせから、くだらないギャグや「トウガラシの辛味成分カプサイシン、赤い色素のカプサンチン、これは混同しやすいのですが『赤はチン』、『赤チン』と覚えてください」といういつものネタまで、きみまろ先生の授業の完全コピーで発表を行い、満場の喝采を浴びたのであります。

栄養学の先生もうちの学校の卒業生であり、「いやー久しぶりにきみまろ先生の授業を聞けて、懐かしかったです」といたく喜んでおりました。


ほかの班も、つまらないテーマでもなかなかおもしろかったですよ。
女性らしいカフェメニュー仕立てにしたり、すごくきれいな料理の写真を撮ってたところもありました。クラスに一人本物のフリーアナウンサーの女性がいるのですが、その人がバッチリ仕事スーツ・仕事メイクでプロのしゃべりを聞かせてくれた班もあります。(あまりに本物なのでみんな声に聞きほれてしまい、内容はちっとも耳に入ってこなかったけど。)
クラス1の挙動不審な男を発表者に据え、終始彼が壇上で不振な挙動をするだけというシュールな発表をした班もなかなかウケました。あとは全員で劇をやり、その中に登場する料理について合間合間にナレーターが解説するという発表もなかなかうまくまとまっていて感心しました。やっぱり発表するなら楽しくオリジナルにやらないとね。

でもやっぱりうちの班。というか俺様。発表の内容自体はほんとに箸にも棒にもかからないテーマだったのですが、それを個人技で見事に笑いに変えたのが一番です、と自画自賛。いやあぼくって芸達者、さすがにそう思いました。



ところで、この発表をするために、ちょうど前日にきみまろ先生の授業があったのでぼくは食い入るように彼を観察しておりました。
そして授業そっちのけで彼の出席の取り方・まゆ毛の角度・マイクの持ち方などの細かい立ち居振る舞いを研究しました。さらに実家からICレコーダーを持ってきて授業を録音し、家に帰って一晩中彼の講義を聞きました。

昼の仕事もそっちのけで、日中はずっと台本を作っていました。みなさんにはなんのこっちゃわからないでしょうけど、録音した彼の講義からきみまろ先生のセリフそのものをふんだんに盛り込み、もしくは発表の内容に沿った形で彼が言いそうなことを入れました。

するとどうでしょう。何度も何度も繰り返し聞いているうちに、ふと気づくとすっかりきみまろ先生のきのうの食品学の講義が頭に入っているじゃありませんか。
きのうの講義とは、試験前の最終講義であり、試験に出るポイントを全ておさらいした授業なのです。辛味成分がカプサイシン、赤色成分がカプサンチン、これは本当に試験に出るのです。全部覚えました。


ヅラ1500円、白衣3000円。発表したからといって栄養学の成績には関係なし。でもこれで、食品学は100点間違いなし!そして楽しかった思い出、プライスレス。
楽しくて、役に立つ。これがワタクシの勉強法、というカタチでございます。

近況、あるいは寝てばかり

2005/8/30

すごく忙しい。ひょっとすると人生最大級?
しかしまあ、よく考えるとそんなことはなくて、意外とたっぷり寝ています。

人の心の働きに「セルフハンディキャッピング」と呼ばれるものがあります。自分で勝手にハンディキャップを背負うこと。
なにか重要なイベントがあるときに、もちろん万全の準備をもってそれに臨まないといけないのですが、でも万全の準備をしたのに失敗してしまうと、それはそれでとてもショックがでかい。
そこで心は無意識のうちに、重要なイベントの前に失敗してもおかしくないような状況に自らを追い込みます。たとえば体調を崩してみたり、何か忘れ物をしてみたり、電車に乗り過ごしてみたり。そういうことがあれば、失敗しても言い訳がつく。そうやって、失敗したときの心理的なショックをあらかじめ和らげようとするのです。

なんてことをむかし勉強した覚えがあります。
大人になってもちっとも強くならない我が心は、こどものころとちっとも変わらずセルフハンディキャッピングにいそしんでおり。試験の前に見たくもないテレビを見ふけったり、絶対寝てしまうのはわかっているのに布団にもぐって勉強してみたり、成功したためしがないのに「よし、明日早く起きてフレッシュな頭で勉強しよう」と寝てみたり、試験中にも寝てみたり、とにかく寝てばっかり。まあ試験はそんなに難しくないので問題ないんですが。寝てばっかりいるおかげで、ほかにやるべきいろんなことが滞ってしょうがなくはあります。

というわけで滞っていた、ここ数日の日記です。


***


27日土曜日。ISARA2回目。

行ってみるとジムの軒先に新しくテラスが!ANDOさんが「きのう作ったんですよ〜」と誇らしげです。ほかにも新しい課題ができていたりして。「来るたんびに少しずつ違ってる、みたいな感じにしたいんです」とのこと。すばらしい。
ただ若干、ジムは民家に囲まれているため、「軒先」と書いたとおりテラス(がりさん曰く「ウッドデッキ」)というよりなかんずく縁側。まあ、縁側のあるクライミングジム、いーじゃないっすか。

そして先に入っていたお二人組。その女性のほうが前回ぼくが最後に届かなかった6級の課題で同じように四苦八苦していたので、「最後、遠いっすよねー」と声をかけて仲良くしていただく。
で話をしていて、「なんでこのジム知ったんですか」と聞いてみると、「インターネットでここの紹介をしてるところを見て」。ひょっとして・・・それってうちのサイト?「え、もしかして会員番号2番の人?」そーです会員番号2番、アイアム店長!なんとお二人は吉祥寺にクライミングジムができたらしいということで、先週のワカレミチのISARAオープン記念ルポを見てきてくださったのです。ちょっと感激です。これからもワカレミチとISARAをよろしくお願いします。(勝手。)

課題のほうは、わりと好調。前回は届く気もしなかった青の6級の最後の一手は、フレッシュな状態だったこともあり難なくクリア。それを筆頭に次々と6級課題をぶかっこうながらもねじ伏せまくり。
このジムの特長は、全身くまなく疲れるということ。前に行っていたB−PUMP国分寺だとかぶった壁(90度以上の傾斜の壁)が多く、そうすると同じ難易度の課題でも比較的手の力が要求される度合いが高いのですぐ疲れちゃって、手はパンパンだけど下半身はなんとなく欲求不満、でもこれ以上やってもちっとも登れないよ、そんなことがよくあります。でもISARAは90度の壁に長い課題があるので手も足もまんべんなく使い、長いので足も同様にぐったり。ああ登ったなあ、そんな満足感に浸れるのがよいです。
そんな満足感に浸りながら長い垂壁の黄色の6級にチャレンジしていたら、よれよれの足でふんばって最後の一手を伸ばしたところすんでのところで掴めず。5メートルほど落下しました。マットがあるのでケガはしませんが、落ちたときに右ヒザが関節可動域を若干オーバーしました。ちょっと痛かった。
でも、全身の筋肉痛も、ちょっぴりヒザが伸びた感じも、痛みはすなわち登った証。ああ、登ったなあ、落ちたなあ、そんな満足感に浸ってしまうのです。

というわけで次回は黄色の6級に挑戦。


***


28日日曜日。さいたまスーパーアリーナにて、PRIDEグランプリ決勝!

といっても、バイトです。
登録制の短期バイトでPRIDEの会場整理を募集していたので、ひょっとしたら見れるのかもと思って働いてみることにしました。

集まってみると、会場整理のバイトは全部でゆうに300人超。開演前のたまアリの通路にごった返し、支給されたダサいポロシャツに着替え、簡単な仕事の説明を受けます。柵で区切られたゲートのところでチケットのチェックをしたりするそうです。工事現場と比べればラクチンそのもの。そして会場のどこに配置されるかは、どうやらほぼランダムに決めるようです。
場内からはオープニングの音楽が流れ、選手の入場曲が流れ、ノブ兄さんが「出てこいや!」と叫び、「ヒィ〜デェ〜ヒィ〜コォ〜・ヨシッダァァァァァァァッ!!」とレニー・ハートさんの声がして、本番と同じ流れでリハーサルをやっているようです。中の様子は見えませんがなかなか興奮します。
名簿で順番に名前を呼ばれ、一人ひとり配置が割り振られます。「花道」とかのポジションもあります。いいなー。かと思うと「場外」とか言われ肩を落とす人もいます。このくじ引きはかなり重要です。どうなる?どうする?やれんのか?ジャカスカジャカスカカモンベイベー!

というわけでぼくは、みごと「アリーナ北」をゲット。3まんえんのアリーナ席の会場整理です。アリーナなんて、猪木祭りの終演間近のどさくさにまぎれて乱入したことがあるくらいですよ。やったー!
しかし、アリーナ北といってもけっこう広く、20人くらいの人がいます。配置ごとに分かれ、その中でもまたランダムで場所の割り振りがあり、アンラッキーなことにぼくはアリーナのいちばん後ろの担当になってしまいました。
配置についてみるとすぐ後ろはスタンドS席(1万7000円)で、しかもアリーナはすべて同じ高さなので後ろのほうからはリングは見づらく、お客さんもけっきょく後ろを向いて近くのモニターを見るという本末転倒のポジションなのでした。もし実際に金を払ってその席だったら、がっかりすること間違いなしです。同じアリーナ北の配置でも運がよければ、なんと前から10列のVIP席(10まんえん!)の会場整理だったのですよ。ああ残念。金返せ!(払っていないが。)

ま、ひょっとするとアリーナの一番後ろというのは結果的にはわりといい配置だったのかもしれません。前のほうの人たちは、終始リングに完全に背を向けてチケットチェックに必死です。ところがアリーナの一番後ろはスタンド席とアリーナの境目なので、アリーナのチケットを持っている人はすべて通してOK。席番号とか何もチェックしなくていいので楽です。しかも人通りが多いので1つのゲートに2人配置され、それでいて試合中は人通りはないのでボケーッと試合を見ていても問題はありません。かなり、見れました。これでお金がもらえるなんて、なんておいしい現場!

とはいえ、正直なところあんまりおもしろくなかった。
シウバが負けちゃったとか、ヒョードル・ミルコ戦を筆頭に判定が多かったとか試合そのものの展開もさることながら、黙って見てないといけないというのがねえ。風俗でいったらストリップみたいなもんか。いや風俗に例える必要はないが。ぼくの友だちにはなぜかストリップ好きが多いので反論されそうだけど。それはともかく、格闘技観戦はやっぱり飲んで騒いでなんぼです。

あと頭の悪い客とか多いしストレス溜まります。格闘技の客、しかもアリーナの客というのはヤの字絡みの人も多いです。連れのねーちゃんとかを眺めているぶんには楽しいのですが、でも「さっきチケット見せたじゃねーか」とか「キサマがあっち通れって言うからあっち行ったら通れねーじゃねーか」とかすごまれて恐いです。
あとはスタンド席のチケットでアリーナに入りたがるバカ。「あっちで通ってるヤツいたんだよ、いーじゃねーか見逃せよ!」とか10分くらい粘られました。ぼくが客だったら同じことしようとするしやったことあるけど、そういうのはあくまで見てないところでどさくさにまぎれて潜り込むものであって、ばっちり監視されているところを粘ったり交渉したりしてこじあけるものではないと思うのですが。ぼくがここに立ってるかぎりは見逃せないので、どうかほかのところに行って再チャレンジしてくないかなあと、うんざりしながらお断りし続けました。最後にゃ危うく殴られそうになりました。
が、ぼくの配置のすぐ前にはレスリング日本代表の人が勢ぞろいしていたので(PRIDEと日本レスリング協会が提携しており、試合の間に世界選手権の出場選手たちがリングで紹介された)、殴られたらたぶん彼らがとっちめてくれるだろうと不思議と安心でした。そして浜口京子は気さくないい人でした。

残業がいくらついたかわからないのですが、たぶん全部で日給9000円弱かな。
交通費は出ず、往復で・・・1140円。
かなり非効率な気もしますが、まあ金と弁当もらってPRIDE見れたんだからよしとしないと。
でも、やっぱり金払って行くということにはそれなりの意味があるもんだなあ。


***


29日月曜日。前述のとおり10月から始めるバイトの面接。

本当はバイト先として考えていた選択肢はほかにもあって、まだ時間はあるしもう少しじっくり考えてからとも思っていたのですが、でも働きたいなと前から思っていたところで働くチャンスがとんとん拍子に転がり込んできたのはタイミング以外の何ものでもありません。チャンスの神様は前髪しかないのだ、ここは乗っとくべきでしょう!

吉祥寺店にいる社長のところに行きます。昼の仕事は有休を取って、久しぶりにスーツを着て、履歴書を持って準備万端整えて緊張しながら店をたずねると・・・。

社長がいなかった。

うそん。

これはあれか?本当にやる気があるのかを試されてるのか?
とりあえずまた出直すことになりました。


***


そして30日火曜日。バイトの面接、出直し。

月曜に有休を取っちゃったのでもう休むわけにいかず。苦肉の策で、朝からなんとなく足をひきずって歩いてみたり、イスに腰かけるときに顔をしかめてみたりしてみる。そして午後になり、仕事があらかた片付いたところで、SVに「すいませんきのう足ひねっちゃって・・・」。
「あー朝から痛そうだったもんね、捻挫?いいよ病院行ってきなよ」
ということでまんまと早退しました。

きょうは社長はおり、ごめん忘れてたと謝られました。
面接はまあ、なごやかに進行。ここで働きたいッスという意思は伝わったと思います。年齢が高いのと、キッチンはバイトでは雇っていないというのが根本的に問題ですが、卒業したら社員の方向でがんばりますんでどうかよろしく。

面接終了後、「メシでも食ってきなよ」ということになりました。ペペロンチーノがうまかったのでここで働きたいと思ったんですという話はしていたので、「今日はペペロンチーノより高いもの食っていいよ」と言われ、そういえばぼくいま家でカルボナーラ作るのに凝ってまして、ここのカルボナーラちょっと変わった感じでおいしいですよね!とここでも軽くアピールして、そうなんだよ醤油味で日本人の口に合うようにアレンジしたんだよということで、カルボナーラ大盛りを出していただきました。

うまい!
・・・でも、ちょっとしょっぱかった。
そして、卵の殻が入っていた。

これはあれか?これに気づいて指摘できるかが実は採用の最終試験?
と少し思ったのですが、指摘できるはずもなく。あとは近日中に連絡しますと言われ、運を天にまかすのみでございます。


***


そんな感じで過ごしていました。
その合間に試験の勉強をしたり、寝たりしています。いや、寝てる合間に試験の勉強をしてるのかな。

しかしあれだね、後から思い出して書いてもあんまりおもしろくないね。やっぱり日々のできごとは新鮮なうちに書いたほうがいい。まだ試験とかレポートとかあって、さらには実習の試験もあるから練習もしないといけないんだけど、なるべく(仕事の合間に)時間を見つけて毎日書こうと思いました。

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