さあ今週も行ってまいりましたよ、サタデー・ボルダリング。(略してサタボ。)
といっても最近ではすっかり低成長期。課題を次から次へとクリアできたのははるか昔の話。というか易しい課題が存在していた一回目だけ。今じゃあすっかり難しくなってきて、一度ジムに行って2時間やってようやく新しい課題がひとつクリアできるようになる、ってな感じ。地味な挑戦の連続です。今日も、なんとか青の6番をクリアして一歩前進したところです。
だもんでワタクシのボルダリングの取り組みをレポートしても、あまりおもしろくないのです。そこで今回はクライミングジムの風景を紹介することにしましょう。
といっても、クライミングジムにあるのはただひたすら壁だけなのです。
ただ、これまでご紹介のとおり、その壁に手がかり・足がかりとするための奇妙なでっぱりの数々がついているのが普通と違うところですね。それらは「ホールド」と呼ばれます。今日はそのホールドについてのお話です。

このホールド、これまでの日記でもいくつか「のっぺり三角」「食べかけメロンパン」などと名前つきで登場しています。ほかにもぼくらの中で名前がついているものはいくつもあります。
やたらと名前がついているというのは、ぼくの生来の名づけぐせゆえ、というわけでもありません。ほかの人もやっぱり「メロンパン」とか呼んでいるみたいです。
だってこんなホールドばっかりですからね。名前をつけてくれと言っているようなものです。

休憩中に耳をすますと、周囲からよく「左足、その蛍光灯」「宇宙人の上」「次、ドーナツ」と言った指示の声が聞こえてきます。だれしもホールドに勝手な名前をつけて呼んでいるのです。
しかし名づけフェチである我々はやはり、ホールドについても名前となると気合が違います。
上の青の6番、これは一般には「顔」と呼ばれているようですが、我々は美しく「ムンクのぼやき」と名づけました。
すべからくホールドに名をつけるときには、その形状は言うまでもなく、課題の中での位置づけ・ムーブの流れなども総合的に考慮に入れて命名せねばならないのです。目に見えたそのままの形を名前にするのは言語道断です。
「あの、のっぺり三角の次の白いヤツ、実はなにげにあれがクセモノやねんな」
「ん、そうは見えないけど持ちづらいね」
「なんて名前にしよか」
「お高く止まった感じが・・・シロガネーゼ?」
「それや!」
という具合に、課題の攻略法とかではなくホールドにぴったりな名前をつけることに夢中になったりしております。
しかしあなどるなかれ、いつもワタクシが言っているように「理解することとは、言語化すること」。ことばで適切に表現することに成功した瞬間、行動の8割は成功したも同然なのです。
というわけでいざ、シロガネーゼ攻略!
・・・といっても名前をつけただけで登れるはずはなく。むしろ、登れない憎くき存在のホールドに次々と名前がついていくのでしたとさ。
ところで、垂壁の上のほうに、ずっと我々が恐れていたホールドがあります。

青の7番にならないと登場しないホールドのため手をかける機会はまだありませんでしたが、そのいかにも持ちづらそうな凶悪なフォルムに、我々は以前から怯えをなして「なんと呼ぼう」と話し合っていました。
ぼくはその大きさと硬質な外見から「肝硬変」を提案しました。底石さんはその重く暗い色から「砂肝」を推しました。どちらも「これだ!」という手ごたえのあるネーミングではありませんでしたが、とりあえず同系列の名前です。そこはいずれ実際に青の7番に挑戦して、このホールドに手をかけたときにおのずと正解が見えてくるのでしょう。
と思っていたら。
勝手に「肝臓」と名づけてアップする人が現れました。
そのまんま!
そんなこったから登れないんだよ!
といってもまあ、ぼくも今日こいつがクリアできずに終わったんですけどね。
さあ本日も行ってまいりましたサンデー・ボルダリング。(サンボ。)
青7クリアァッ!
しかし次の黄2、スタートすらままならぬ。はて、どうしたものやら。
***
サンボ終了後、底石さんが携帯の機種変更をするというのでカメラ屋にお供。
底石さんはドコモユーザー。今回FOMAに変えるといいます。
ぼくはボーダフォン。FOMAって何って感じです。
いやホントぼくからすれば、ドコモの人っていうのは喫煙者と同じくらい愚かな存在です。まず何より端末がべらぼうに高い。しかも充電スタンドやアダプターは別売。別売?それってプレステにコントローラーついてないようなもんだよ?絶対足元見られてるって!
だいいちドコモの人は、PだSだ501だ901だって機種の名前に一喜一憂しすぎです。とにかくFOMAってなんですか説明してください。FOMAじゃないのはmovaなんですか。FOMAがフォーマならmovaはモーバですか。違うでしょう!?赤外線通信だ?手で入れろ!おサイフケータイだ?おサイフ持て!ハァハァ。
と、いうくらいぼくはドコモに対して敵対心を持っているのです。
で、そんなことを横でネチネチ言いながら機種変につきあっておりました。
今回も2万ちょいだそうです。movaからFOMAの変更だったので2万ですんだのですが、FOMAからFOMAの変更だったら3万だそうです。アホかっ!
今回、そんなアホな底石さんが買ったのはP901i。

ウリのひとつはカスタムジャケット。着せ替えができます。四隅にビスがあって、それを外すとパネルが取れて別のデザインに着せ替え可能です。
ふん、こしゃくな!だまされるな!
別売でいろいろジャケットが売っています。
中に、一つ売り切れで入荷待ちのジャケットがありました。それは透明。・・・透明?だまされてるぞ!
というわけではなくて、透明のジャケットの下に自分の好きな写真とかを敷いて、オリジナルのデザインにできるんだそうな。
そしてサイトで、手持ちの画像からジャケットを作成することができるんだって。へえ、ということはワカレミチケータイ、なんてのを作ることもできるわけね・・・。
・・・いかんいかん、ドコモなんて嫌いなんだからぁ!
しかしなんとなくぼくも新しい携帯が見たくなって、いちおうボーダフォンのブースを探したのです。
すると・・・置いてあったのはたったの1台。
まじっすか?
売る気なしですか??
まあボーダフォンですからねえ。
気になったので、ボーダフォンショップにも行ってみました。
すると・・・閑散とした店内に、置いてあるのはたったの3台。ボーダフォンショップなのに??
大丈夫かボーダフォン!?
ますます気になって、もう一軒カメラ屋に行ってみました。
すると、こんどは機種が豊富にあります。ああよかった。
しかし・・・全機種、新規は1円!昔のピッチか?
そしてその横には「緊急値下げ」の赤い文字が踊る!閉店売り尽くしセール?
ほんとに、大丈夫なんだろうかボーダフォン。
番号ポータビリティまでは、もってくれ。
(この日記は話の構成上一部フィクションですが、後半は基本的にノンフィクションです。)
スーパーに行くと「寒天コーナー」ができていて、寒天が山積みもしくは軒並み売り切れている。
そういえばこの前の日曜日、あるある大辞典を見ていたら特集は「寒天」。いわく寒天にはダイエット効果があり、血糖値が下がって便秘が改善され代謝はアップして冷え性が治りコレステロール値は低くなるという。毎食前に寒天を食べるだけで。絶大な効果である。
それどころか、ちょっと効果が絶大すぎてテレビを見ていて不安になってしまったくらいである。そんなにいっぺんにしかも簡単に改善されてしまったら、あるある大辞典はもうネタがなくなるのでは?ひょっとして最終回!?
と、本気で心配してしまったのだが、別にぼくはあるあるの大ファンとかいうわけではなく、たまたまアイロンをかける日曜の夜にほかに見るものがなくてつけていただけ。むしろ健康情報番組系は大嫌い。あるある最終回、大歓迎!
と思ったのだが考えてみると、他にも不眠・血液型・肩コリ・虫歯・豆乳・頭の体操・骨盤のゆがみなど番組のテーマは腐るほどあり、腐っちゃえばいいのに。ぼくは日曜の夜のアイロンのお供にはこの先も苦労しなそうである。
***

家から原付で5分くらいのところのマンションで高山善廣を見かける。朝ゴミを出しているところと夜に帰ってくるところを見たことがある。どちらもプライベートな感じのショットなので、おそらくそのマンションに住んでいるのだろう。
なんて考えていたら、このたび彼の家とおぼしきマンションの数軒隣に「ブラジリアン柔術」の新しいジムができた。
当然、頭をよぎる。
「高山は試合数の多いプロレスを事実上引退して今後は総合格闘技に専念するのか」
しかし、ちょっと考えると当然高山とブラジリアン柔術の間にはご近所以外の関係はなにもない。それどころかぼくは通勤通学の行き返りにブラジリアン柔術の道場の前を通るだけで実際にその道場がオープンしているのを見たことがなく、高山も2回しか見たことはなく、当然高山がブラジリアン道場で練習をしているところなどは見たことがあるわけでもないのである。
しかしまあ、東スポの記者などはこうやってインスピレーションを得て記事を書くのだろうし、今日の日記のタイトルはそんな感じでいってみようと思ったのさ。
「朝早く申し訳ない。ただいま格闘中」
とのメールが、6時すぎにやっしーから届きました。
やっしーといえばザ・妊婦さんズの左を担当。格闘しているもの・・・それはもちろん赤ちゃん!
「午前中には出そうです」
出るってオイ。
お約束どおり、「三井、住友、VISAカード!」と返信しました。
「がんばるわよー」
と返ってきました。
がんばるわよーの、「わ」の部分が気になりました。ふだん彼女は、がんばるよーとは言ってもがんばる「わ」よーなどとは決して言わないタイプの人間なのです。
出産を間近に控え、すでに母性が発揮されているのか?
それともタキさんが代打しているのか?
そしてやっしーといえば。
重い荷物を持ったら脱臼したとか、朝起きたら骨折していたとか、朝起きたら骨折していたというネタで「明石家サンタ」に出たとか、そのわりに小魚とかが好きなので骨密度は20代男性並みだとか、どこからかウソかわからない噂がまことしやかに囁かれるほどにどことなく不安な感じの人なのです。
やれんのか?
がんばるわよの「わ」の部分に、そんな我々の思いが交錯するうちに時間は過ぎ、午後イチで・・・。
「出た!」
キター!!!
そしてメールは写真つき。
生まれたての赤ちゃんと、それを見つめるやっしー。明らかに母親顔になっているのです。
それを撮っているであろうタキさんも、なんとなく父親顔なのです。たぶん。
それでは恒例の命名タイム!

「のんちゃん」とのことです。女の子。
どんな字を書くのかは、まだ情報が入ってきておりませんが、否と書いてノンと読むっていうのはどうでしょう。
「やっしー出産」のニュースは各所で速報されています。勝手に独占配信がウリの当サイトが遅れをとってしまったくらい。一般人で、これだけウェブ上で出産が報じられるのもめったにないです。
早くお目にかかりたいものだ。みんなで見に行きますよ。
なにはともあれ、おめでとー!おつかれ!いらっしゃい!!
スーパーで、アジア系らしき外国人男性が店員に「スイマセン、オテアライ、ドコデスカ」と聞いていた。店員がトイレを指し示すと、外国人男性の後ろにいて手をつないでいた日本人女性が、いそいそとトイレに入っていった。
カッティーン
日ごろから、男であろうと女であろうと先輩であろうと後輩であろうと、そんなこと関係なく人として自分のことは自分でしなさいということを世にアピールし続けてきたワタクシ。最近嫌いなタイプはエレベーターで自分も下りるのに開くボタンを押して他人を先に下ろそうとする人。開くボタン押してる自分に酔ってるだけなんちゃうんか。アンタに押しといてもらわなくても、ドア閉まりませんから。自分のことは自分でします、ていうか邪魔、さっさと下りろ!ハァハァ。
というわけで、自分がトイレに行きたいのに、「ねえねえ、トイレどこか聞いてよお」とか男に甘えるような女は鼻持ちなりません。しかもそれを日本語を母国語としない男に日本語を使って聞かせる、そんなのはもう最悪ですよ。
しばらくして、ちょうどレジでその日本人女性と外国人男性のカップルがぼくの前に並んでおり、ぼくは彼女の背中に向かって、キサマのようなやつがいるから日本の将来は暗いのじゃなどと怨念を送っていたのです。
と、男のほうが何かを買い忘れたふうでレジ待ちの列を離れました。すぐに順番が回ってきて、店員は彼女に「ポイントカードはお持ちですか」と尋ねました。
彼女は「・・・・ワカリマセン」と答えました。
ひとことでしたが、明らかに日本語を母国語とする人のアクセントではありませんでした。
ワカラナカッタのか。
勝手に怨念、送ってごめん。ぼくはちょっと反省しました。
数日前から右の頬が痛い。右の頬の内側、奥歯のあたり。たぶん食事中に噛んだかなんかで、そこが潰瘍化して巨大な口内炎みたいになっている。
それどころか、そこを中心に顔の右半分がなんとなく熱を持ってきた。右顎下リンパを押さえてみると少し腫れて軽い痛みがあるし、舌の右側の付け根にも違和感がある。
だからものを噛むと頬がすごく痛い。右頬を刺激しないように左側で噛んでも、口を開けたり閉じたりするだけで右も痛い。だから当然食欲は出ない。もちろんしゃべるだけでも痛いので、話をするのもおっくうになる。ていうか口を閉じていても何となく痛いし偏頭痛というかなんというか。
だから数日前からずっとなんとなく不機嫌でむすっとしている。
しかもきのう包丁を研いでいて、右手のひとさし指と親指、左手の中指の先をそれぞれちょっと傷つけた。
少し血が出たくらいでたいした傷じゃないし、そんなのはよくある話でふだんは気にもかけないのだが、今回は傷の場所がピンポイントにやな感じ。指先が痛いと、キーボードが打ちづらいのだ。右手のひとさし指と左手の中指なので、jとかdを打つとき少し痛い。「ね」という文字を今日の日記でここまで一度も使っていないのはそのためである。というのは冗談だけど。でもこうしてタイプしていても確かに微妙に痛くてムカつく。
さらに右手の親指の傷、これは携帯のキーを押すときに少し痛い。ので携帯のメールを打つのもめんどうなのである。きのうぼくに送ったメールの返事がこないと思っている人がいたらそのせいなので、気にしないで傷がふさがるのを待っていただきたい。
というわけで、いくつかの傷の痛みの連鎖により食は細り、話したくない書きたくないというちょっとしたコミュニケーション疎外に陥っているのです。
そうするともう何があってもムカついて、例えばスーパーに行けばアジが小さかったり卵が6個パックだったりBGMが懐かしかったりレジで隣の列が先に進んだり、ありとあらゆるきっかけでイライラしてしまうのです。
女性は生理中に不機嫌になるというけど、ひょっとしたらそれに近い感じかもね。
不機嫌なので日記なんて絶対書いてやるもんか、と思っていたのだけど、気づくとこうしてその状態を日記に書いており、まあ書いているということは機嫌が回復し始めているということかしらん。明日には治っているといいけれど。
サンデボ。(サンデー・ボルダリング。)
大型新人、「調整に失敗したアレクセイ・イグナショフ」ことしんいち参戦。
大型とはもちろん体型のこと。ボルダリングでこんなに汗を流している人を初めて見た。今日一日で2キロは痩せた模様。
しかしその後彼はSIBCの練習会および飲み会に行ったので、失った2キロは余りあるほどに補充される模様。
とりあえずCDプレイヤーありがとう、遅刻してごめんね、てへっ。(舌を出しながら私信。)
***
「発掘!あるある大辞典」を見ていると、今夜のテーマは「コレステロール」。
いかにも手垢にまみれた感のあるテーマ。しかも先週お話したように、そんなものは寒天を食えば一発で解消されてしまうのです。寒天の次の週にコレステロールとは、やはりついにネタが尽きてきたのか、これは冗談抜きに番組終了も間近なのでは・・・とハラハラ、いやワクワクしながら眺めておりました。何度もいうようにぼくはあるある大辞典は大嫌いなのです。日曜夜のこの時間、アイロンをかけるときに見るテレビがほかにないから毎週つけているだけなのです。
すると、今夜のテーマは、悪玉コレステロールのさらに上をいく「超悪玉コレステロール」が存在する!というものでした。RPGで、やっとこラスボス倒したと思ったらブチブチモリモリウォーと変化して真のラスボス登場、みたいな感じですね。
超悪玉は、超悪いのです。そして血液検査のコレステロール値などでは測定されづらいのです。したがって、人々はその超悪玉コレステロール退治を目指してまた戦いを続けねばならないのだ・・・。こうしてあるある大辞典はいつまでも存続していくのです。めでたしめでたし。
はっいつの間にかあるある大辞典の存続を願っている自分がいる?いやいやぼくは健康なんて、健康情報番組なんて大嫌いなんだ。
っていう話を1週間に2回もしている時点で、さすがに説得力がありませんかね。
とりあえず次回のテーマは「体の硬い人」。たいへんだ、ぼく超硬いですから、来週も見ないと!
恋はこうやって始まっていくものなんだなあ。
本日の日本料理実習、お題は「鯉」!
ええ〜、コイ?池の?食えんの??
「まー伝統的な夏の風物詩ですね。本来の旬は秋から冬ですが、栄養があるので、夏バテ防止に。食べるものがなかった時代は高級魚でした」
・・・いつの話だよっ。
そういや、不法就労の外国人が池のコイを盗んで食べて逮捕、みたいなニュースあったけどさ。
「今じゃコイなんて出す店ほとんどありませんけどね。・・・メモルナ先生(和食の教師陣の長老)が大好きなんですよ、コイ」
個人的趣味かよっ!
「・・・だからやるってわけじゃないんですけどね。たまにはこういう魚もある、ということで」
フォローになってないです。
というわけで、どうにもテンションがあがらないままに実習がスタート。本日のポイントは、もちろん「活きたコイをさばく」!
各班に、一匹ずつコイが配られます。前の水槽の中で、ぴっちぴっち生きてます。取り出そうとするとむっちゃ暴れます。騒然とする教室。
しかし!
コイは、タオルで目を隠すとぴたりと暴れるのをやめるのだ!
これが「まな板の上の鯉」という慣用句の由来とも言われます。ホントに、目をふさぐとシーンとするのです。ちょっとかわいい。(コイの始まり。)
しかし、目をふさいでおとなしくなった隙に、次は包丁のミネでコイの眉間を一撃して気絶させるのです。
やっぱり騒然とする教室。そしておっかなびっくりやるので、一撃では気持ちよくイカすことができずにガツンガツン何度も叩く教室。かわいそうなコイ。
で、頭を叩いて気絶している隙に、こんどはさっさと卸してしまいます。さっさと卸さないと、コイが途中で気がついてしまいます。「途中で気がついてしまう」というのはレトリックでもなんでもなくて、切ってる最中で本当にコイが目覚めて暴れだします。
切ってる最中というか、卸し終わって頭を落とした後でもコイはかまわず目覚めます。ただしその場合、目覚めたときには頭だけになっているわけです。切り落とした頭はまな板の上に立てて置いとくわけですが、その状態でも口がパクパクいうのです。おそらく「やべー俺、起きたら体なくなってるんだけど。あー鼻かゆいけどかけねー」とか言っているんじゃないでしょうか。
もちろん頭はゴミ箱に捨てられます。生ゴミのゴミ箱の中は、パクパク動くコイの頭でいっぱいです。おそらく、「俺起きたら体なくなってるんだけど」「うっそ俺もだよ」「俺なんかほら、胴体がダイコンの青いとこになっちゃってるんだけど」「短っ」とか言ってるんじゃないでしょうか。
コイの頭を腹につけ、これがホントの腹話術、という芸を、次回何かの折に披露しようと思います。
とまあ大騒ぎして、かつ活魚なので(血抜きをしていないので)血まみれになりながら卸して、ようやく試食にたどり着きます。
一品目は、卸したコイを薄くそぎ切りにして、湯にさっとくぐらせて氷水で締めた「鯉の洗い」。それともう一品、これは時間がかかるので参考として先生のデモを見ただけですが、「鯉こく」という吸い物が配られました。吸い物というか煮物というか。ウロコも腹わたもとらずにコイをガンガンガーンとぶった切って鍋にぶち込み4時間煮込んだ、豚汁のコイ版みたいなやつです。
コイは食べたことがないという人か、食べたことあるけどちょっと苦手、という人がほとんどです。ぼくも初めてです。まずは鯉こくから。骨もわたもうろこも食えるというのですが。うろこって。コイのうろこは1円玉くらいの大きさです。
おっかなびっくり食べてみると・・・お、意外といける?みんなの反応もまずますです。ただ、なんというか・・・うまいのは味付け。山椒がたっぷりと入ってゴボウの素朴な風味が生きており味噌味が引き立って、あとはショウガなんかが入っていてもいいかも。要は味付けでもって全力でコイ臭さを消しにかかっているのです。
そして鯉の洗い。・・・食えないことはないし、まずいわけじゃないけどさ。例えていうと、ドブに腰かけて白身魚を食っているような感じです。えっと、酢味噌はおいしいです。
みんな、ひと口ふた口食べたところで脱落。味もダメだし、食品衛生学でコイの寄生虫やらコイヘルペスについての授業をやったばかり、というイメージの悪さもあるようです。
MOTTAINAI星から来たワタクシは、とりあえずみんなが残した鯉の洗いをかき集めます。
そして刺身のツマと合わせて、ボウルに盛りました。

名づけて恋丼。コイドンブリ。
生きたまま叩かれて刻まれたコイへの供養のようなものです。見た目はそこそこ。
味は・・・泥くさいよぅ・・・・。
さっきまで生きていた魚はイメージ的に鮮度がいいような気がしますが、殺してすぐに食べるのは魚の一般的な食べ方ではありません。殺して血を抜いて、しばらく置いたほうがうまみが増すので、刺身用の魚でも一定の熟成期間をおくのが普通です。
ただコイの場合は、そうするとうまみより臭みが増してしまうので、活けのままさばいてさっさと食べるのです。そして、臭いので酢味噌とか山椒とかで食べるのです。つまりコイは、ぶっちゃけあまりおいしくはないものを正直無理やり食っているわけです。
ぶっちゃけあまりおいしくないものを、正直無理やり恋丼。みんな残したので、確実にコイの半身くらいは入っています。活魚は骨が抜けないので刺身なのに骨があり、よーく噛まないと飲み込めません。よーく噛んでも、臭いので覚悟を決めないと飲み込めません。完食するのに10分くらいかかりました。
そして食後は、胸やけ、とは違うな、油っこいわけじゃないからな。なんというか、川で溺れてじたばたした後のような、異様な泥くささと気だるさに体中が包まれたのでした。あーいま体の中はあのコイの胴体なんだなーみたいな。なんとなく口がパクパクします。
初コイでしたが、もう一生分のコイは終えたと思います。
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