テキストマニア3回戦、勝った勝った。今回はヒヤヒヤものでした。
なぜヒヤヒヤものかというと、恒例のテキマニ回顧録、第3戦にあたってのテーマは「雰囲気で勝つ」でした。
先発投手の仕事は5回まで投げきること、調子が悪くとも大崩れせず最低でも試合を成り立たせるのがエースの条件、てなことをよく言います。往年のアントニオ猪木はいくらコンディションが悪くとも、何にもしないで相手に技を出させて出させて最後に延髄斬りしてバックに回ってスリーパーするだけで勝って、それでも客は喜んで帰ったものです。
そのような横綱相撲が、ワカレミチにできるか。それがテーマでした。どんな名盤でも、シングルカットできる名曲ぞろいのものはない。むしろシングルB面に収録されるような渋い曲の充実が、アルバム全体の印象を決めるのです。
ま、いくらかっこつけて言ったところで、しょせんネタがなかったことの言い訳なんですけど。
でも本当に、試合も中盤に差しかかったいま、勝負を左右するのは一発の大技よりもひとつひとつの確実なレスリングテクニックなのかなあと思うんですよね。なんせ決勝にいたっては10日くらいぶっ続けで書き続けなきゃいけないわけですから。
ぼちぼちネタも切れ始めているのはどこも同じ。そんな中で、いかに「次も見たい」と思わせることができるかがひとつの勝負の決め手。そんな気がします。
ということで、ネタねーよと焦りながらも開き直り、そんな状況でベストを尽くして過去2戦でかもし出した雰囲気とみんなの愛で勝つ、そう言い聞かせて挑んだ3回戦でした。なんとかまとまりました。勝ててよかったです。石坂くんおつかれ、相手が悪かったな、あーはは。
終わってみて実感した収穫としては、書き手がいまいちと思っていればそれは読み手にダイレクトに伝わっている、いうことがあります。満足いく出来だった1・2回戦と比べると、票の動きとかコメントとかからもなんとなくそれが感じられました。
だからこそ「いまいちでも雰囲気で勝つ」ということに意味が出てくるのですが、それにしてもそれは二度は続かないよな。次はもっとおもしろいことを書きたいです。
これまで長い間、自分がおもしろいと思うように書いてきました。それがみんなに伝わってるかどうかはよくわかりませんでした。ちょびっとずつしかアクセス増えんし。でも1・2回戦を経て、自分がいいと思っていればみんなも評価してくれるということがなんとなく実感できました。
この3回戦で、逆に自分がつまらないと思っていればみんなもそう思っていることがわかりました。それなら答えはひとつ。もっともっと自分がおもしろくなればいいだけです。これまでやってきた通りです。
あと「みんなしっかり見てるなあ」とも思いました。某所でレビューされていて、料理ネタは飽きてきた感もある、というようなことを書かれていました。
実はぼくもまさにそう感じていたところで、うまくまとまったけど正直1回戦以上の広がりはないなあとは思っていました。見透かされてました。
でもそれは料理ネタのせいではなくて、広がりを持たせられなかったぼくのせいです。下ネタだから、フォント弄りだから勝つ、負ける、ということはないのと同様に、結局は見られているのは書いている内容なんだと思います。しっかり見てくれる人のために、仮に料理ネタ押しでも見る人の想像のかなたをいくようなアイデアを次はぜひ。
ひとつ心残りがあるとすれば、よそいきじゃない日常ネタで挑まなかったこと。もうひとつどちらを書くか悩んだネタがあって、それは完全なるぼくの個人的な日記でした。自分なりにうまく日常を料理できると思った題材があったのだけれど、知らない人にも読んでもらうことを考えてこっちになりました。
あれもテキマニ閲覧者への自己紹介、という意味ではよい作品だったと思うのですが、でも「3回戦特別企画」とか銘打っちゃって、シングルB面というよりヒット作の後に慌てて出した中途半端なシングルカットみたいでサムいです。
中途半端なよそいきよりも、上手に日常を切り取って貼り付けるのがこのサイトのモットーのひとつ。どこにでもある日常をさりげない味付けで食してもらう、次戦以降で試してみたいテーマです。
ああ疲れたよ。57サイトから始まって3試合、ベスト8です。あと3つ。半分きました。
残り半分、サイドBでぼくらはどこに行くのでしょうか。
見にいこう!
昼の仕事。久しぶりにうちの事業所の責任者である本社の人がやってきて、カゼ薬とか胃腸薬とか、いろんな薬が入った小さな箱をみんなに配っていった。会社から健康保険の組合員にたまに配られるプレゼント、らしい。
市販の薬というのは意外と高いので、なかなかありがたい。
が、そのセットについていた手紙にこう書いてある。
「平成16年12月 被保険者各位 冬の季節の常備薬として、カゼ薬を中心としたセットをお配りします」
給料の遅延とかは絶対にやめてほしいものである。
久しぶりに、クラスの人の話でもしましょう。
うちのクラスは総勢60人くらい。男女比は半々か、やや女性が多いです。年齢層は様々ですが、20台半ばから30台前半くらい、ちょうどぼくくらいの世代が中心です。
そんな男女が毎日いっしょにいれば、惚れたはれたの話も当然でてくるわけで。ラブラブアチチで愛の共同調理に励むカップルもおれば、あちこちで誰が誰を好きだの嫌いだのの話が聞こえてきます。共学経験のとぼしいぼくにとってはほほえましい光景です。
その中でひときわ異彩を放っているのが、キヨという女性。
年は32だったかな?でもまあおばさんというわけではなく小奇麗な格好をして、ものすごく遠めに見ればスレンダーで美人にも見えます。よく言うと目力が強いタイプで、目元が印象的です。
しかし・・・近くに寄ると、その目力、強すぎます!いつも何かを睨みつけています!!
その睨みつけているものとは、いつも男なのです。
クラスによさげな男がいれば連夜のラブラブメール。授業に若い講師がくればくだらない質問をしては気を引いてメアドをゲット。実習中は作業もせずに若い男の助手さんをぴったりマーク。クラスの女性陣は勉強がてら休日にみんなでおいしいものを食べに行ったりよくするらしいのですが、その輪にキヨが加わると目的が「かっこいい店員がいるから、その人が独身かどうか聞きにいく」となる。キヨにとってはおいしいもの=男なのです。
スレンダーとはよく言ったもので、ちょっとでも近寄って見るとガリガリでなんのダシもとれなそうでぼくは興味はありません。あんだけガリガリなのに、なお休日にはスポーツクラブに行って鍛えているそうです。おおかた若い男のインストラクターでもいるのでしょう。
この前美容院に行ったらしく、髪が真っ黒になって「見て見て〜アジアンビューティーでしょ〜」とか言っていたので、ぼくは思わず「ん、何アンビューティー?」と聞き返してしまいました。
いつしか、彼女は「妖怪人間キヨ」と呼ばれるようになりました。
そんな妖怪人間キヨを、ワカレミチ専属店員であるアルティメット・ジェッター・中村くんにイメージ画像にしてもらいました。

このまえ、妖怪人間キヨが学校に「男の隠れ家」という雑誌を持ってきていました。
「男の隠れ家」というタイトルは、オフタイムを大事にする仕事盛りのハイセンスな男性のための情報誌ってな感じでなかなかによいネーミングなのですが、それをキヨが持ってるとどうもニュアンスが違う。なんか、釣り情報誌みたいです。「伊豆の岩場で男入れ食いスポット発見!」みたいな。せっかくの男の隠れ家を、襲いそうです。隠れてるのに襲われそうです。
「キヨ・・・男の隠れ家なんて本持って・・・」
「男に逃げられたから探してるんじゃない?」
「そういやあいつまた先週23キロ走ったとか言ってたよ」
「ああ、23キロ追いかけて、逃げ切られたんだ」
「で、逃げた男の隠れ家を探してると」
「男はいねがぁ〜っ」
ぼくらはこう噂しました。
幸いぼくにはまだキヨの食指は動いていないようです。
ただ念のため、ピアスをなくしたので新しいのを買うときに、来るべき4月の席替えにむけてコーラルの石のものを選びました。効果は、「魔よけ」。
東京は雪。大騒ぎです。
昨日の夜からテレビは大雪情報。朝も、「新宿駅前より中継しています。外は雪です!すでに積もり始めています!」って、超うっすら。騒ぎすぎですよ。
でも騒ぐ気持ちもわかる。なんたって雪ですから。朝起きて予報どおりに窓の外が白いのを見た瞬間には、待ちかねていたパーティーが始まったようなウキウキ感を覚えましたよね。
今日はさすがに原付ではなく電車通勤。前日から交通機関の乱れが言われていましたから、いつもの電車の時間より5分ほど早めに家を出ます。
外は寒っ!でも雪だと、いくら寒くてもなんだか許せてしまいます。さあ、イベントの始まりだ!
そして電車は激コミ!でも雪だと、いくら混んでても許せ・・・はしないな混みすぎ!!電車から降りる人と乗る人がせめぎあい、「降りま〜す!!」「マフラーが〜!!」等の絶叫が飛び交う地獄絵巻でした。
もう、みんな電車が遅れるのはわかってるんだから早めに家を出なさいよぼくのように。
しかし、なんでも雪の遅れに車内急病人が重なったそうで、到着する電車は次から次から人満載、もちろんホームには人がごった返しており、電車が何台きても乗れません。
ううん、とうてい始業には間に合わなそう。
まあいいや、雪ですから。
やっとのことで新宿に着くと、改札に人だかり。そう、遅延証明です。長らく電車通勤から遠ざかっていたので久しぶりに見ました。
正月に神社で撒かれるもちを奪い合うように駅員に群がり、みな我先にと遅延証明書をひったくっていきます。すごくイベントっぽいです。
時給労働者のぼくには遅延証明書なんてなんの意味もないのですが、そこはほら正月のおみくじのようなもんです。もらいました。
結局仕事場には始業より10分遅れで到着。遅延証明書をおでこに貼って、誇らしげに席に着きました。
フロアを見渡すと人は・・・半分くらい。そんなわけねーだろいくら雪でも。おおかた、いつもギリギリで走ってくる人たちも、雪で電車が遅れたんだからいいやとゆっくり歩いて向かっているのでしょう。ぼくもそうです。雪だからいいのです。
そして新宿の高層ビルから眺める雪景色は絶景です。
「もう3月なのに雪だよ〜」「去年も今くらいに雪降らなかった?」なんて会話が聞こえます。
ばかな人たちですね、去年もその会話をしたのを覚えていないんですか?
東京では、3月に雪が降るのです。
東京は真冬のあいだは冬型の気圧配置で高気圧に覆われ、雪なんか降りません。
3月ごろ、冬型の気圧配置が崩れてくると、低気圧がやってきて大雪が降るのです。
つまり東京の雪は、春の訪れ。
東京の、かぎかっこ付きの「大雪」は、春を迎えるための一大イベントなのです。

学校で行われた卒業記念料理作品展示会を見にいってきました。
卒業制作。これまでに学んだ技術の粋を集めた先輩たちの1年間の努力の結晶。それが一堂に会する大イベント、なわけですが・・・行く前は小学校の展覧会くらいのもんだろうとたかをくくって、正直ヒマつぶしくらいにしか考えていませんでした。
ところが!
会場は、所狭しと作品が並び卒業生や父兄の観覧で大盛況!なんとも華やかな雰囲気じゃありませんか。

そして、作品も超力作ぞろい!同じ学校の生徒が作ったとは思えないほどのすばらしい出来で、思わず引き込まれるように見てしまいました。

もはや、食べ物の域を超えた芸術作品の数々!

そして、これが今年の最優秀作品。すげえ!!

卒業生一人ひとりが、日本・西洋・中華・製菓製パンの中から自分の得意なジャンルの作品を作ります。
中でも華やかだったのが、甘い香りのただよう製菓の展示フロア。製菓っつったらふだんは2ヶ月に1回くらい思い出したように実習があるにすぎず我々も忘れがちなのですが、こうした展示ではがぜん輝いて見えます。


優秀な作品にはいろんな賞が与えられています。実はぼくの昔の友人が同じ学校に偶然通っており、この前ばったり会ってびっくりしたのですが、彼もこの3月に卒業なのでどんなの作ってるんだろうな〜と思っていたら・・・。

賞とってやがった!!
これにはびっくり。ぼくもがんばんないとな。
こうして卒業生の作品に触発され、ぼくもよい刺激をもらいました。
が、刺激をもらい感動していたのもつかのま、何百人も卒業生がいて一人ひとつ何か出さないといけないとなると、ものすごいショボい作品が出てくるのもこれまた事実です。夏休みの自由研究と同じです。
後半はそのショボ作品を見て爆笑しながら進みました。

これは・・・なんか出品者の心の嘆きが聞こえてくるような作品です。とくにタイトルから。

うまく体裁を繕ったように見えるが・・・ただタルト2つ作って並べただけじゃん!
どの作品もすばらしい出来、というわけではなくて、大多数はこの「作って並べただけじゃん」というパターンです。

これなんてジュース並べただけです。

それどころか鯛をそのまんま飾っちゃいました。

よーしこうなったらザリガニいっぱい飾っちゃうぞー。

でも開き直って丼ものを25個作って並べると、努力賞がもらえます。
あと多いのが、技巧に凝りすぎて「どこ食うねん!」というパターン。

たぶん花がお菓子でできているのでしょうが・・・。土から生えてるし。美しいけど、もはや料理ではないよー。

これも美しい!けどただのニンジンだよー。後ろの岩なんて生のままのショウガだしー。

どこ食うねんというか、なにもないです。タイトルは「から」と読むようです。

からっぽといえば、時間に間に合わなかったらしき人も散見されました。タイトルが痛々しい・・・。
というわけで、非常におもしろかった。
実はみそっ子の夜間生にはこの卒業制作は必須ではなくて、出したい人だけ出してもいいという程度のものなのです。
けどこんなにおもしろいイベント、ぼくも参加しようかな?
もちろんタイトル勝負、ウケ狙いで。
がんばるぞ!
日曜日、底石家へ。久しぶりに普通の家飲み。
ふと気づくと黒いカリスマ主婦さんの腹がかなり大きくなっている。いや、ふと気づくとっつうわけじゃないのだが、いろいろとタイミングが難しくてここでは正式にリリースできないうちに、いつの間にかもう妊娠6ヶ月にさしかかっていたのです。
本人たちも「ここ2週間くらいで急に大きくなってきた」とのこと。そしてぐりぐり蹴ると。神秘。
さあ、名前を考えないとね。黒いカリスマ主婦さんは、出産を機に黒いカリスマ主婦というハンドルネームからの脱却に意欲を燃やしています。いや、そっちの名前じゃなくて。
そうそう、やっしーも妊娠7ヶ月。めっきり腹が出ているそうです。そしてぐらぐら蹴ると。今年の夏は忙しそうです。
てなわけでいろいろと積もる話もあり、夜まで飲んで帰宅。
すると、帰りの車中で携帯がないのに気づく。
慌てて電車を降りて公衆電話からかけてみるが、つながらない。
どっかで落とした!!
なんとか家に帰って固定電話からかけてみるが、やっぱりつながらない。
月曜日、仕事に行っても全く集中できず。朝イチで、帰りに乗ったバス会社の遺失物係に電話してみる。
が、届け出はないという。・・・参った。
しかし携帯をなくしてムチャムチャ焦りながらも、心の片隅にはある予感がありました。
ぼくには、ある特殊な能力がある。
次はJRの遺失物係に電話してみました。
「昨日の夜、携帯の落し物はありませんか、vodafoneの黄色い携帯で・・・」
「ちょっと待ってください」
しばし保留音。
「えーっと、下4桁何番?」
こ、このパターンは!?ぼく6262!むっつむっつ!!
「・・・預かってますよ」
やったあ〜!!!
というわけで、久々にスタンド「ロスト&ゲット」が発動。
ほんと冷や汗かいた。
落し物はしないのが一番なんですが、なくしてもなくして見つかりまくるというぼくの人生もまたスリリングでよいです。いや、よくはないです。落し物はしないのが一番です。
***
テキストマニア4回戦。VS脊髄の中の人。9日0時ゴングです。
今日は外食産業論で、イタリアのバルサミコ酢職人の人とバルサミコ酢売りの人が来てバルサミコ酢の作り方について片言の日本語で話をしていきました。
ちょっとだけ試食があり、バルサミコ酢の原料となるブドウの汁の煮詰めたやつと、25年ものの一級品のバルサミコ酢を舐め比べることができました。
25年もののほうは見るからに濃厚でどろりとしていて、口に含むと25年ぶんの樽の香りと味が一瞬にして舌に広がり、ぼくはたいそうたまげたのです。
家に帰って備え付けのバルサミコ酢と味を比べてみることにしました。バルサミコ酢の瓶を持ち、手の平に垂らしてみたら・・・ドボドボとバルサミコ酢はこぼれました。
さっきのバルサミコ酢の濃厚さが頭に残っていて、瓶を傾けすぎました。うちのバルサミコ酢は濃厚さのかけらもありません。完敗です。
***
現在23時55分。5分後に、テキストマニア4回戦、いざ出陣。
学校では期末試験が終わり、テストの結果が配られています。「試験後にテストが返却される」というイベントは久しぶりの経験で、実に新鮮。番号順に呼ばれて前に出てテストを受け取り一喜一憂する顔は、みな子供のころに戻ったようです。
てのはちょっと言い過ぎ。基本的にぼくらはおっさんおばさんの集まりです。
さてそんな中で、栄養学のテスト結果が配られました。試験問題に不備があって大騒ぎになったというアレです。
栄養学は、お粗末な授業のあげくテストがひどかったのも気分が悪かったんですが、それより何よりテストでしょうもない勘違いをして2問間違えたことに後で気づいてムシャクシャしていました。1問5点が2問で90点・・・まあ悪くはない点数なのですが、意気込み的には全科目満点取ってやるつもりだったので、ぼくは苦々しい気持ちでテストの答え合わせの日を迎えました。
教壇で答案を受け取り、喜んだり落ち込んだりしている人の列をかきわけて自分の席に戻り、それからゆっくりと自分の答案を見ました。ああ、90点・・・。
と思ったら。
あれ、99点?
やったー、ラッキー!?
とんでもない。
なんか、すごく気分が悪いです。
99点の内訳は、正解が90点。自己採点どおり。
間違えたと思った2問は、3つの選択肢から誤っているものを選び正しい語句に直す問題。1問はカロチンとビタミンAを間違った。1問は「イソロイシン」と書くべきところを覚え間違いで「イソロイジン」にしてしまった。
だのに、カロチンのところは選ぶべき選択肢は合っていたのでたったの1点減点。イソロイジンについてはおとがめなし。というわけで合計99点。
そりゃあテストの点数はいいほうがいいが、お情けをかけられたようで、なんか釈然としない。2問間違えたんだから、ばっさり90点にしてほしい。
試験が終わったみんなもそうですが、栄養学のおばちゃん先生も妙にハイテンション。「今日で私の授業は終わりです。半年間、みんなと勉強ができて楽しかったです♪」なんて言ってる。
ぱらぱらと拍手が起きる。みんなえらいなあ、拍手なんてして。みんなもいつもは栄養学の授業には不平たらたらなのに。
「もしよかったら、残りの時間で、テスト用紙の裏にこれまでの授業の感想を書いてください」
先生がそう言った。終業の15分前。
みんな、一斉にテスト用紙に向かって何かを書き始めた。
ぼくは、何を書いたらいいかわからなかった。
きっと、これを書けば先生は何らかの考慮をしてくれるのだろう。考慮とは、すなわち点数にゲタを履かせてくれることだ。調理師学校の試験なんて、落とすことを目的としているわけじゃない。むしろなんとかして全員を合格させたいのだ。先生はそのために感想文を書かせようとしている。55点の人は60点になり、99点のぼくは、ここでひとことでも何かを書けば、100点になる。
とりあえずテスト用紙を裏に向け、ぼくは腕を組んで考えた。周りからは、カリカリと鉛筆の音が聞こえる。
授業の感想。グチならいくらでも出てくる。あなたの授業はまとまりがなく論理性もなく、広がりもなければ知的好奇心もかきたてない。ひいてはあなたは教職としての資格に足らずつまるところ金返せ、こっちは高い金払って真剣に学びにきてるんだ。
でも、そんなことを書いたところでいっこうに気は晴れない。むしろ悲しくなるだけだ。
ぼくは考えこんでしまった。
ぼくは、何のために文章を書くのだろう。ここで自分を偽り先生をおだてれば、ぼくは100点になる。ここで自分の本心を書いて先生をおとしめれば、ぼくは先生を悲しませることになる。それはどちらも、ぼくのしたいことなんかじゃない。
先生はニコニコしながらみんなを見ている。みんなは書いている。ぼくは腕を組んで考えている。
そういえばぼくはインターネットの片隅で、いつも日記を書いている。みんながおもしろいと感じてくれればいいなと思って書いている。
でも、それより前に、ぼくは自分がおもしろいと感じることしか書きたくないと思う。自分がおもしろいと思うことを書いて、それでみんながおもしろいと思ってくれればいい。思ってくれなければ、それでいい。おもしろいと思われるために、おもしろいと言われる誰かのまねをしたり、自分を偽ることは絶対にしたくない。
誰かを傷つけるための文章も書きたくないし、自分をよく見せるための文章も書きたくない。ぼくはただありのままの自分を書いて、それを読んでくれる人に読んでほしいんだ。
腕組みしている間に時はすぎ、先生が時間の終わりを告げた。テスト用紙が後ろから前に回る。隣の席の人が、何も書いていないぼくのテスト用紙をちょっとびっくりした顔で見た。
ぼくは、自分が江戸時代のキリシタンで踏み絵をさせられたら、まんまと踏まずに弾圧にあうんだろうななんて考えていた。
いいさ、弾圧されたら五島にでも逃れよう。
ぼくは、自分の書きたいことしか書かない。
そうしてぼくは胸を張ってテスト用紙を前に回した。
この文章はテキストマニアX、4回戦の参加作品です。
「はい、力を抜いて、大きく息を吸って〜」
というところで目が覚めた。
夢か。出産?
半分寝ぼけたままで、夢の中の医者が言ったとおりに大きく深呼吸をした。
そこで初めて、自分の心臓が大きく打っているのに気づいた。
なんでだ?
その瞬間、ばちっと目が覚めた。
ああ、あれだ。
そうしてがばっと布団から起き上がり、やおらPCの電源を入れました。
ぼくはテキストマニア4回戦の対戦中なのでした。
9日0時のゴングから、しばらくの間は全くの横一線で票が重なっていました。対戦相手の脊髄の中の人こと藤森くんと「やべー」「胃が痛てー」「勝ちてー」「負けねー」とmixiで半チャット状態でひとしきり話して、ようやくワカレミチが2票差をつけたところで自分に一票を投じて3票差にして、えいやっと2時過ぎに寝ていました。
そうして次の朝起きてPCをつけると・・・少し差が開いていた。
勝ちました。
今回も、実にうれしい勝利です。
3回戦後に語ったように、4回戦のテーマは「日常を切り取って貼り付ける」。誇張なし、オチなし、笑いなし。
2回戦も「ポップじゃなくても、ロックする」をテーマに真面目に書きましたが、それでも冒頭の枕程度の軽い話題はありました。今回はもう、ベッタベタです。「だから何?」って言われたらそれでおしまいの話です。でも自分なりに、つまんない毎日の中でもちょっとした心の中の動きを表現できたらそれはきっとおもしろいはずと思って書きました。
書き終えて、普段の日記でもそうないくらいに硬く仕上がったテキストを見て、思った。
これは、ギターのリフだな。
ステージの端で、腰を落として、半音下げのヘビーなチューニングで。
ぼくのリズムをオーディエンスはどう受け止めるのか?
なんて言うとかっこつけすぎですが、本当に思った。いつも書いてることを、いつも書いてるとおりに書いただけ。繰り返し。リフレイン。これでダメならまた練習するよ、基本のテクニック。
前回の反省を生かし、100%自然体でした。しいて言えば少し長さが足りなかったかな。「長い」という理由で藤森くんから票が流れてきたのが心苦しい。でもシンプルなリフが印象的な短めの曲もいいでしょ。
書いてる内容は、ぼくにとっては若干チャレンジングでした。
テキマニが始まる前に海上くんとメールしていて、彼が言いました。「サイト持ちの意識レベルを上げていきましょう」。ぼくは、なんて大それたことを言うんだとそのときは思いました。
でもいつの間にかぼくも、テキストサイトが集まるこの場で何か発言してみたいと少し思うようになりました。小さな声で言ってみました。「ぼくは、自分のおもしろいと思うことだけを、自分のやり方で書く、だれのまねもしたくない」。
もっと大声に翻訳すると、俺様のテキストに対するコミットメントは99点なんだと言いたかったのです。俺はそれを自力で100点にしたいんだと言いたかったのです。おまえらそこまでコミットしてんのか、やれんのか、俺はやれますチョキチョキチョキ、そう言いたかったのです。
投票者の多くを占めるであろうサイト管理者からは反発もあるかと思いました。あったと思います。でも管理者らしき人から、共感したというコメントをいくつかもらえたので満足です。
4回戦でこのネタを書くために黙っていたというわけではないのですが、日記では触れぬまに学校は春休みに入っています。テキマニ特別進行で日記が日常に追いついていません。でもテキマニでも日常が書けたからよかった。藤森くんおつかれありがとう、日常(試験)に戻ってがんばってください。
4回戦突破。次は準決勝。試合の呼び名が、下から数えた数字から、上から数えた名詞になった。上が見えてきた。
始まる前は、もちろん優勝できたらいいなと思ってはいたけれど、まさか優勝できるなんて思ってなかった。そんなに書くこともあるわけないと思った。
だけど、次とその次に書きたいことはもう決まっています。ただの思いつきで音楽ネタで書き始めたテキマニ回顧録ですが、ポップ、ロック、グルーヴ、サイドB、リフときて、いつしかぼくの中では次のそのまた次まで音のイメージができています。
こうなったら最後まで弾いてみたい!
| 店長日記 |
| おすすめ過去ログ |
| 全過去ログ |
| 「麺こて」おすすめ日記 |