久しぶり。
久しぶりなはずだ、11年ぶりか?ぼくは、いま28だ。
17歳のぼく。何をしているだろう。
1994年、2月21日か。・・・まずは何も言わずにこんどの日曜日27日の中山競馬場3Rサラ系4歳新馬戦の馬連13−16に全財産をつっこんでみてくれ。
それはさておき、そっちも月曜日か。きみはいまちょうどボート部の最後の試合に向けて練習をしているころだろう。どうせ技術書を読んだりイメージトレーニングとかいって座って瞑想するばかりであんまり体を動かしてないかもしれない。だけどちゃんとボートにも乗っておけよ。もっと陸トレもしておけ。そうしないとレースの後半にバテるぞ。
それと最後の合宿が21泊もあってキツいからといって、合宿所の大浴場で人がいないときにオナニーするのはやめろ。見つかるぞ。そんなイメージトレーニングはいらないから。
でも大丈夫。そのままちゃんと練習すればきっと勝てるよ。
そのシケた面からすると、まだ童貞だな。ま、あんま気にすんな。もうすぐやれるよ。うん、もうすぐ。
相手は?それは言わないことにしよう。きみが想像もしない人だ。それくらいは楽しみにとっておいたほうがいいだろう。
どんなかって?・・・それがぼくは酔っててあんま覚えてないんだよ。頼むからきみは、恥ずかしいからって飲みすぎて事に及ぶのはやめてくれ。いちおう一生に一度の思い出なんだから、しっかり記憶しとけ。まったくもう。
ほかにも、これからいろんなことがある。できればきみにはこれから起こるいろんなことを自分の目で見て自分の言葉でとらえてほしい。自分の頭で考えることが、きっとこの先きみには必要になる。
できればそれを文章にすることもいまのうちに始めてほしい。
それは、そう、きみの好きな言葉だ。「私は上手な文章の書き方を2つの目的のために学んだ。よいラブレターを書くためと、よい借金の申し込みの手紙を書くために」。ぼくもまだ2つ目の域には達してないけどね。今から練習しておいてくれ。
きっときみのことだから、1999年に世界は滅びるんだなんて半分信じて、ぼくなんていなければいいと思っているかもしれない。だけどこれだけは言おう、世界は滅びない。もうそんなこと、覚えている人もいない。きみは死にません。
28年も生きていると楽しいこともつらいこともある。どっちが多かったかと言われると、ぼくはいまでもわからない。死ねばよかったと思うくらいつらいこともこれからあるはずだ。でも、ぼくは死なずにこうして生きている。
だから、きみも腹をくくってほしい。死ぬんじゃないかとおびえても、むしろ死にたいと打ちひしがれても、きみは死なない。
そうして生きてきたぼくが、きみに胸を張って言えることのひとつに、案外28歳も悪くないってことがある。
ぼくはいま、きみが想像もしないところにいて想像もしないことをやっている。きみはこれからいい学校に行きいい会社にいき、いい恋愛をして結婚をしていい家庭を築くことが唯一の歩くべき道だと思っているはずだ。
だけど残念ながら、いまのぼくはそれとは全く違う道を歩んでいる。それはいまのきみにとっては進みたくない道かもしれない。でもぼくにとっては、いまここにいる自分を悪くないと思う。いい会社に勤めいい家庭を築くことがきみにとって悪い道だと言っているのではない。ただそれ以外の道も、進みようによってはなかなか興味深いものなんだぜ。
ぼくがいまそう思うのは、きみがこれから迎える分かれ道をひとつひとつ真剣に選んでくれた結果だと思う。ひょっとして11年後のきみは、いまぼくがいるのとは全く違う道を歩んでいるかもしれない。でも選んだそれぞれがそのとききみがベストだと思う選択であれば、例えそれが本当のベストではなくとも、きっと11年後のきみも同じように満足して自分の歩んできた道を振り返ることだろう。
ゴールを決めてそのために必要なことを逆算して実行するというのは、きみが得意とするやりかただ。これまでは、それでぼちぼちいい線いってきただろう。だけど現実は計算どおりには行かない。むしろ計算どおりにいかなかったときに、どう軌道を修正していくかを考えるのが人生といえるのかもしれない。
だからこれから迎える分かれ道を、きみは悩み考え真剣に選ぶことが必要となる。それを忘れないでほしい。それさえ忘れなければ、これからどんな道を進もうときみは大丈夫。あんまり心配するな。
そして11年後にまた会おう。きみがその先にどんな道を歩んでいてもいい、きっと笑ってまた会えるように。
歩け。
止まるな。
道がなければ考えろ。
勇気を持って進め、17歳の自分。ぼくもそうするから。
この日記はテキストマニア2回戦参加テキストで、アルティメット・ジェッター・中村くんとのコラボ作品です。
テキストマニア、アルティメット・ジェッター・中村くんとのタッグで見事2回戦突破!多くのご支持を賜りまして、深く御礼申し上げます。どれくらい深い御礼かというと、柄にもなく顔文字を使ってしまうほどです。
m(_ _)m
実は、アップした午前0時の時点では勝てる気がちっともしませんでした。1回戦が余裕しゃくしゃくで、数票入ったのを確認してすぐに寝たのとは全く対照的。対戦相手の白いインド人の部屋さんとまんじりともせぬ事柄さんもすげーおもしろい。票の動きに一喜一憂しながら中村くんと遅くまでメッセして、「もう寝ますか」となった後もなかなか寝つけずに、布団に入った後にまた起きてPCをつけたりしてました。
それは、とりもなおさず「ここまで笑わせない文章が、個人サイトの世界で果たして受け入れられるのか」という自問自答からくる不安でした。
1回戦後に書いたように、ぼくはテキストマニアでワカレミチがポップであることを確かめたかった。そして1回戦である程度その手ごたえを得たから、次はワカレミチが人の心をロックできるか実験しようと思っていた。
しかし、いざ公言どおりにクスリとも笑えない文章を書こうとすると・・・それがすげー怖いのですよ。いつもの日記ならいい。ワカレミチをずーっと読んでくれてる人の中には、そういう日記が好きで支持してくれる人がいるのも知っている。だが、はたしてそれを公衆の面前でやっちゃっていいのか?サムいっていうか、空気嫁って感じじゃない?
そしてタッグマッチという形式もプレッシャーになった。一人で好きなことを書いてスベるのは勝手だ、だけど相手に迷惑はかけられない。
ていうかそもそもタッグってなんだよ?2サイトが好きに書いた2つのテキストならタッグにならないし、2サイトで1つの何かをやろうとすると自由度がなくなるし・・・テキマニ管理者のとも・リーさんには悪いけど、この2回戦は「企画倒れ」だと思った。
しかし、組み合わせが決まり、中村くんのサイトを見て「高校2年生」ということを知ったときに、神はすーっと下りてきた。
この若者と対になる文章を書きなさい。
さすれば、おぬしはめくるめくグルーヴに包まれることであろう。
メッセで連絡を取り合い、自己紹介をして、まずはあたりさわりのない会話をした。彼もプロレスが好きだということがわかった。しかも昭和プロレス。ベストバウトはブロディー・ハンセンVS鶴田・天龍だという。
それを聞いた瞬間に、ぼくの頭の中にはハンVSコピィロフが閃いた。絡んで絡んでわけわかんなくなってレフェリーがブレイクを命じちゃう、関節曼荼羅地獄絵巻だ。ぼくは少しだけ勝利を確信した。プロレス好きとプロレス好きがタッグを組む。そんなわかりやすい話はない。やることはひとつ、プロレスだ。セメントだ。
そうして少しの打ち合わせの後、ぼくらはお互いに「28歳の自分への手紙」「17歳の自分への手紙」という文章を書くことになった。いわゆるネタ系テキストではないので、なんの加工もいらず頭の中で考えるだけで文章はすぐにできた。
だが勢い込んで書いたはいいが、やはり「本当にこれでいいのか」という思いは消えない。新生UWFの旗揚げ時に前田日明は言った。「選ばれし者の恍惚と不安、二つともに我にあり」。
「ここで笑って」と字幕のついたテキストでなくても、ぼくらは読者をロックしてみせる。しかし、本当にそれができるのか・・・。
実は午前0時の投票開始前に、すでに各管理者は所定の場所にテキストをアップしている。ぼくは自分のテキストをアップし終え、URL手入力でこっそり他のサイトの文章を読んでみた。
お、おもしろい・・・。
正直「負ける」と思った。
だが中村くんのテキストを読んだ瞬間、ぼくは鳥肌が立った。「ハマった」と思った。
ぼくが「17歳の自分」に言いたかったことを、彼がそのままに「28歳の自分」に向かって語っている。2つのテキストが完全に対をなしている。そして2つを読むと、それらの手紙は単に「17歳の自分」や「28歳の自分」にあてたものではなく、とりもなおさず今の自分自身にあてたメッセージであることがわかる。きっと読む人は、それぞれの自分の17歳や28歳に重ね合わせ、それぞれの手紙を思い描くことであろう。
タイトルを決めただけで内容は示し合わせていなかったのに、思い通りにピタリとはまった。トップロープから跳んで、ダブル・インパクト。ものすごいグルーブ感に、ぼくは酔った。
そして投票が始まり時間はすぎ、ぼくらはおかげさまで多くのご支持をいただきました。
得票者コメントのテンションも、なんだか高かったように思う。「これはあの人だな」と想像できるような常連コメントもうれしかったけど、通りすがりと思われる人たちが「悩んだけどコラボのおもしろさに」と投票してくれたようだったのが本当にうれしかった。ポップじゃなくても、ロックして、おまけにグルーブした。ことばって楽しいなと思った。
「手紙は苦手なんすよ」と言いながらぼくの案についてきて素敵なグルーブを奏でてくれた中村くん、ありがとう。対戦相手のルイルイさん、黒金魚さん、素敵な対戦者の存在なしにはこの幸福な緊張感は味わえませんでした、ありがとう。ぜひ復活してまた戦わせてください。そして応援してくれたみなさん。ありがとう。みんなのために書きました。
もう思い残すことはありません。本日をもってワカレミチはテキストマニアを卒業します。
っておい。
まだ、次あんのね。3回戦は来週の月曜だってよ。次っていうか、勝っても負けても次・次・次・・・殺す気かっ。
でもこのイベントでつかみたかったことはすべて実感できたし、そのうえ予想もしなかったおまけまで得た。思い残すことはないというのは本当です。ここから先は、いつものテンションで思ったことを思ったように書きましょう、力尽きるまで。
この先どこまで残れるかわかんないけど、引き続きよろしく。どこまで続くのか・・・決勝戦って、なんでも一定の得票数に達するまで何日でもやり続けるらしいよ。殺す気だねきっと。うちもあと3つくらいは気合入れて書くネタのストックはあるけど、それくらいになるとネタも尽きてホントに普段の日記勝負だよね。
企画とか集客の力とかじゃなくて、純粋に毎日の日記勝負。そのリングに、ちょっと上がってみたくはないかい?・・・いかんいかん、また次の目標が頭をもたげてしまった。おそるべし、テキストマニア。
そう、ぼくらはテキストマニアなんだ。
ここしばらくずっと体調が悪くて、とくに3日くらい前からノドと鼻の具合がおかしい。毎日忙しいしテストが終わってから飲んでばっかりいるから、またカゼひいたかな?くらいに考えていたのですが、それにしても治りもせず悪化もせずズルズルと長引いているからへんだなあと思っていました。
それにカゼの初期症状にしてはいつもと様子が違う。ぼくはカゼはいつもノドか熱からくるタイプなのに、今回はやたらと鼻水が出る。水っぱなが蛇口をひねったように出る。でも熱は出ない。ノドは痛いけど、セキというよりクシャミが連続して出る。
ひょっとして・・・花粉症?
きのうのバイトで、重度の花粉症で苦しんでいるというSVに念のため聞いてみました。
「ノドと鼻の奥がムズムズして、耳とかもなんか高層ビルのエレベーターに乗ったときみたいに詰まった感じがするんですけど・・・花粉症ってそんな感じですかね」
「人によるけど、そういう症状はあるね。今年は花粉すごいらしいから、いままで大丈夫だった人でもかなりヤバいよ。目がかゆかったりしない?」
「そう言われて気にしてみると、なんとなく目の奥がジンジンするような・・・」
「症状いつぐらいから?」
「・・・2日前から」
「じゃあ間違いないね、2日前くらいから花粉飛んでるから」
イヤアアアアアアアア!!!
自分は花粉症なんて絶対に縁がないと思っていました。ていうか花粉症自体を見下していました。花粉症の人には申し訳ありませんが、「食べ物の好き嫌いが多い」とか「箸が上手に使えない」みたいに、花粉症というのは「別に重大な欠陥じゃないけどなんとなく恥ずかしいメンタリティ」だと思っていました。そんな私が花粉症??
寝込むほどにはつらくはない、かといってベストコンディションにはほど遠い、このなんとなくだるく重い感じが何ヶ月も続く・・・絶対にイヤアアアア!!
いやいやいやこれはただのカゼですよ。 ぼくはアレなんで。ほら、好き嫌いないですし、地球に優しいですから。花粉が入っても体が敵と判断するわけないですから。絶対にないですから。
きのうは学校のクラスの飲み会だったので、帰ったあとは日記も書かずに寝て体力回復を図りました。今朝起きたら熱が37度4分あり、無理すれば仕事に行けないこともない感じでしたが、自分はカゼだそうだカゼなんだ休養が必要なんだと言い聞かせて仕事を休みました。
そして朝からネットで花粉症のことを調べました。ぼくは熱があるんです。花粉症で熱が出るなんて聞いたことがないんです。でも調べたら・・・熱が出たりもするらしいです。花粉が飛んでる間じゅうずっと熱が出てるなんて・・・イヤアア・・・・。
午後からの診療で、近くの耳鼻科に行きました。初回の問診で、まずは看護婦さんに症状を正直に話しました。
「カゼとはちょっと違う感じなんで、ひょっとしたら花粉症かな、なんて・・・。でも病は気からっていうし、ぼくは花粉症じゃないと信じてるんですけど」
ほどなく診察室に呼ばれ、先生の問診を受けます。先生はぼくのノドや鼻を見て、ちょっとびっくりした様子ですぐに「検査しましょう」と言いました。
鼻の奥に綿棒をぐりぐりと突っ込まれ、「では、15分後に検査の結果が出ます」
そして15分後。再び診察室に呼ばれ、裁判の被告席につくような気持ちで先生の前に座ります。先生は検査薬をぼくの目の前に差し出し、青い線のところを指さして、沈痛な面持ちでこう言った。
「検査の結果・・・・インフルエンザです」
い、インフルエンザ?花粉症じゃないの?
ぃやったああああああ!!!!!!
軽くガッツポーズしてしまいました。先生が「は?」という顔でぼくを見ました。
いや花粉症じゃなければいつか治るわけですから、インフルエンザばんざい!
というわけで、思いもよらないことにインフルエンザでした。診察では花粉症のかの字も出ませんでした。ひょっとしたらけっこう長いことインフルエンザにかかっていたかもしれないと言われました。抵抗力が強いのか、症状からいって感染した後に発症するしないのギリギリのところでずいぶん引っ張っていた可能性があると。
特効薬のタミフルは発症後48時間以内に服用しないとあまり効果がないので、けっこう前に感染していたとしたらもう遅いのだけれど、とにかく急いで飲んでくださいと言われて薬を処方されました。薬局に行って薬をもらってすぐに飲んで、花粉症ではなかったうれしさにスキップを踏んで帰りました。
で、帰って再び熱を計ったら37度2分。下がっています。ほんとにインフルエンザなのかよ?ときどきすごいな自分の体。
そして現在夕方5時半。別に高熱が出る気配もないし、これから学校に行きます。ていうか朝も仕事に行けそうだと思ったくらいで今もたいしてつらくはなく、普通に大丈夫です。春休み前の最後の実習なので休むわけにはいきません。
ただ本当は、インフルエンザにかかった状態で調理の仕事をするのは絶対にダメですよ。空気感染しますから。もちろんぶ厚いマスクをしていきます。そしてみんなにはインフルエンザにかかったことは内緒です。
それでは行ってきます。よい子のみんなはマネしないようにね!
<今週のらくたろう通信>
おっす、オラ、らくたろう。
みんな元気か?オラのこと忘れてねが?オラは元気だ。
仙台は寒いっぺよ。あたり一面雪だもんナア。
オラ久しぶりに田舎サ帰ったもんだから、雪見てたまげちまったよ。
んだども、こげな季節だっからこそ、畑仕事には精が出るナア。
去年は畑で、めんこい子っこが取れたべさ。
その子っこもだいぶ大きくなったでな、いっしょに送るわ。

畑仕事もひと段落して、今日からようやくカズ坊とマンション暮らしだっぺ。
初めて一緒に風呂さ入ったでな、めんこいなあ。

そうそう、次に畑で作ってるのな、すげえのができるぞ。
春になったら出荷だ。いま家族さ総出で急いで作ってるところだっぺ。
できたらまた送るさ。
楽天イーグルスっていうんだが、楽しみにしといてくれよな。
**
というわけで、仙台のらくたろうくんから近況の報告があったため、恒例の独占配信でした。
つい調子に乗って何弁だかよくわからなくなりましたが、オチはなかなかよかったのではないかと。
いや、他人の近況報告にオチとかつけなくていいから。
***
インフルエンザ。
朝起きると36.0度。「具合は?」と聞かれても「なんのこと??」と答えてしまうくらい体調万全で、飲みに行きました。
わはは、じゅんとは違うのだよ、じゅんとは。
ちょっと前に、「銭形金太郎」というテレビ番組に出演しないかと誘われたことがあります。そのときテレビのない生活をしていたぼくはよく知らなかったのですが、貧乏な素人の家を芸人が訪問してそのビンボーぶりをレポートする番組、というのはみなさんよくご存知ですね。友人のコン嬢の知り合いがその番組の製作会社にいて出演者を探しているということで、「この男しかいない」とぼくに白羽の矢が立ったのです。ぼくはネタになりそうなことならなんでもOKなタチなのでふたつ返事で了承し、番組製作会社の人と会ってほしいということになりました。
ところがその後、周りに聞いてみるとその番組はけっこう人気があるらしい。しかもゴールデン。サイトのネタで済むならいいけど、全国ネットのゴールデンにビンボーで取り上げられてしまったらさすがに親が悲しむわなと、尻ごみしているうちになんとなく話はお流れになってしまいました。
しかし正直なところ、ぼくはビンボー自慢でテレビに出ろと言われれば本当に出れるんじゃないかというほど貧乏でした。なにせ一時期ワカレミチは「金がない」という嘆きがメインコンテンツだった時期もありますからね。
そしていま考えても、ビンボー自慢というのはネタ的においしい。当時、ぼくは銭金出演のために綿密な脚本を練りました。
せっかくの脚本をお蔵入りさせてしまうのも残念ですので、ここで再現することにしましょう。
***
テキストマニア3回戦特別企画 「web上勝手に銭形金太郎」
銭金では出演者にキャッチフレーズが冠せられるようです。キャッチフレーズ、勝手に考えました。
「東大卒脱サラビンボー」
学歴が詐称ぎみですが、テレビに出るならこれくらいのハッタリは必要でしょう。
以下、レポートされるぼくの貧乏自慢もすべて現実をもとにしたフィクションです。
あとぼくはいまだに銭金を見たことがないので、番組の進行は完全に想像です。

「はいみなさんこんにちは、続いてのビンボーさんの家を訪ねてやってきました。
このアパートなんだけど・・・けっこうきれいなとこなんじゃないの?
ピンポーン」
(ワタクシの家に来るとしたら、当然サポーターは上田で決まりですね。うちの家はけっこう普通の家なので、見た目の第一印象で貧乏アピールをすることはできません。)

店長 「こんにちは」
上田 「きみが東大卒脱サラビンボーか、見たところエリートサラリーマンみたいなスーツ着ちゃって。家も貧乏っていうか普通の一人暮らしの部屋っぽいけど、ちゃんと家財道具もあるし・・・冷蔵庫でかっ!」

上田 「じゃあせっかくだから、さっそく恒例の冷蔵庫チェック!」

上田 「なんだよこの食材の山!」
(実際には今日は冷蔵庫はほとんどからっぽなので、そのへんにあった本などを詰めました。ごらんのみなさんは食材の山だと思ってください。)
上田 「こんなもん買ってるから貧乏になるんだよ!」
ナレーション 「そう、彼は東大卒という肩書きながらエリートの座を投げ打って長年勤めた会社を辞め、自分の飲食店を立ち上げるために日々修行するビンボーなのである。
今は昼間は普通の会社で派遣社員として働き、月収23万を得る。うち家賃は7万円、光熱費などが3万円。一見生活に余裕がないようには見えない。
しかし彼は夜間に調理の専門学校に通い、その学費を払わねばならない!その学費、1年半で120万!!そして調理の訓練のため大量の食材や調理用具を買いこんでしまうため、常に生活はいっぱいいっぱいなのである!」
上田 「調理師の学校ってそんなに金かかんの?」
店長 「はい。たとえばこの包丁セット。

12万9000円です」
上田 「材料もあるし道具もあるし、今回のビンボーレシピは期待が持てそうだな。なんかうまいもん食わせてよ」
店長 「実は、ここにある食材は全部練習用なんです」
上田 「ほんとだ、こんだけいろいろあるけどよく見るとじゃがいもと大根しかねーよ」
店長 「実技の試験があるので、じゃがいものシャトーむきと大根のかつらむきの練習をするためだけに買ってます」
上田 「食う用じゃねーのかよ?」
店長 「はい、でももちろん食べれますよ。肉とか買うと高いんで、ふだんはじゃがいもと大根ばっかり食べて生活しています」
ナレーション 「そうして彼は白衣に着替え、やおら練習を始めた」

・・・てな具合でしょうかね。
もちろん本当にテレビがくるなら、そのときはじゃがいも1ケースとか大根20本とか用意しておきます。
その大根を次々とかつらむきにします。大根を巻物みたいに薄く切っていくアレです。じゃがいもはシャトーといって、1個を6つに割ってそれぞれを5センチの長さのフットボール状に整形します。

そして、それら練習に使った食材を活用したビンボーレシピは欠かせません。作り方をご紹介しましょう。
■じゃがいもの和風チジミ、たまみそ添え(材料費83円)
@じゃがいもはシャトーにした後、千切りにします。(別にテレビに出演してシャトーの腕前を披露するのでなければいきなり千切りにしてもかまいません。)
Aしそも千切りにして、@に加えます。しそは庭で栽培したのをやおら摘み取ってくると貧乏らしさが増してなおよいでしょう。

BAに小麦粉を加えて混ぜ、油を敷いたフライパンに丸く広げて両面を焼きます。

C味噌と砂糖を同量ずつ鍋に入れ、水を少し加えて中火にかけてよく練ります。貧乏でなければ水の代わりに酒を入れるとよりおいしくなります。よく練ったら火を止め、卵黄を入れて混ぜます。卵白は貴重なたんぱく源ですので捨てずに飲むなどしましょう。

Bがこんがりと焼きあがったら、Cのたまみそを添えてできあがり。

普通においしい。酒のつまみにもぴったりです。卵を入れるたまみそのほかに、鳥のひき肉を入れて鳥みそ、ゆずを入れてゆずみそにしてもグーです。
■スパゲッティーニ・あら・大根?(材料費140円)
@大根はかつらむきにした後重ねて千切りにし、塩水にさらします。大根の水分が抜けてしんなりと、そうちょうどパスタのアルデンテくらいの歯ごたえになったらザルにあげて水洗いします。
Aトマトを湯むきして、1センチ角くらいのさいの目に切ります。ボウルに入れ塩・こしょうをしてしばらく置きます。

BAにレモン汁・バルサミコ酢少々・オリーブオイル大さじ1を加え、塩・こしょう・さとう少々で味を調えます。バジルの葉をちぎって加えて香りをつけます。バジルはやはり庭から摘み取ってくるべきです。

大根の水気をよく切って皿に盛り、Bのソースをかけでできあがり。

普通に・・・おいしくはないなこれは。見た目はいいし、まずいわけではないのだが、大根でやる必然性は全くありません。
元ネタは「カッペリーニ・アラ・ケッカ」というトマトの冷製パスタでとてもおいしいのですが。プルーン祭りのときといい、なぜかお遊びレシピに活用されてしまう傾向にあります。
と、まあ、こんな感じで脚色すれば、銭金に出れたでしょうかワタクシ。
優勝すると20万円もらえたそうです。20万か・・・。
今からでもいいから出ようかな。

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