ビッグマウス

2004/11/21

土曜に学園祭の打ち上げという名目でクラスの懇親会がありました。初のオフィシャルな飲み会ということで出席率もよく、40名あまりが一同に会してワイワイ飲んでその後カラオケに行き、楽しく過ごしました。

が、個人的には一次会の最初の席取りで大嫌いな男の隣に座ってしまい、ちょっとブルーでした。そいつは名をビッグマウス・バン・ベイダーといい、休み時間の喫煙所などでよくいっしょになるのですが、デブのくせにいつも自分の話しかしないのでおもしろくないのです。
着席時にどこに座ろうかなーと見回しているとベイダーに「店長、いっしょに飲もうよ」と声をかけられてしまい、むげに断ることもできず隣に座ってしまったのですが、正直ブルーです。さんざん自慢話を聞かされることになります。

会が始まるやいなや、自分はシンガポールに住んでいて、日本人と架橋のハーフで、などと自分の話をしまくるベイダー。でもこの先ずっと続く同じクラスだし冷たく接するわけにもいかないよなーと黙って聞いていました。みんなも「へー」と真剣に聞いている様子です。
しかしベイダーがトイレに行ったとたんに周りの人の態度は豹変。「あの人ホントにウソ臭いよね」「実習で同じ班なんだけど、実習の間いつもずっと自慢話ばっかしてるからウザくてウザくて」などと悪口爆発です。やっぱみんな同じように思っていたんですね。
ほどなくベイダーは戻ってきて「オレは東大医学部だ」「しかも飛び級で17歳で入った」「でも血を見るのがいやだったから4年でやめた」「それで考古学がやりたくなってエジプトに行って」「店を開くのでもう土地もあって物件も押さえてて」「貯金が6000万ある」などと延々とうそ臭いホラ話を繰り出しました。

この前聞いたときは貯金は「1600万」と言っていたんですが。ここ数週間で、株でも高騰しましたでしょうか。
その時点でウソ確定ってなもんですが、だれも突っ込みもできず、ベイダーは暴走し続けました。暴走し続けたというか、会の初めから彼の近くにいたぼくらはもう誰も相手をしなくなって、しかたないので彼はそのへんにいる新しい人をつかまえては「シンガポールに住んでて」「東大医学部で」となんども自慢話を繰り返したのでしたとさ。

1600万が6000万になるように、自分を飾るウソは塗り重ねていくといつのまにかとんでもないことになります。前向きなイメージを持つのは大事ですが、だれも聞いてもいないのに次から次へとホラを繰り出してしまうのはちょっと病気ですね。なにが楽しいんだろ。
そんなによく見られたいならまず痩せればいいのに、と思いながら、2時間まずい酒を飲みました。


***


相談があるらしいので実家に顔を出してみましたが、とくに話はなく昼食を食べただけで帰ってきました。

なんだったんだろう。

turning point

2004/11/22

週の初めというのはブルーなもので。というか新しい週が始まると考え出した瞬間からもうブルーは始まっているわけで。

日曜日は「ああ、また明日から一週間が始まる」と思ったとたんになにもかもやる気がなくなって。金曜に習った南蛮漬けを作ろうと思って買ってきたアジも、頭とはらわたを取っただけの中途半端なところで面倒になってまた冷蔵庫にしまいこみました。
ほかにも図書館に行ったりアイロンをかけたり、いろいろやらないといけないことはあったのだけどほったらかして、けっこう早くに寝てしまいました。
そして朝起きて、慌てて日記を書いて。でもつまらない。朝に日記を書くのは書く気が起きないときです。そして基本的にぼくが人の悪口を書くときはネタがないときなのです。ああつまらない。

時間ぎりぎりに家を出て昨日の雨でぬかるんだ道をバイクで通ると、泥がはねてクリーニングから帰ってきたばかりのスーツが汚れました。
仕事に行ってもやる気なんて出るわけない。もともと辞めたくなるくらい雰囲気の悪い職場だし、週初でお客さんも忙しくて相手をしてくれなくて獲得につながりそうにないし。
昼前に派遣元の本社の人が来て個人面接。辞めるのは思いとどまってくれないかと。まあ当然ですわな。やめる理由を聞かれて、けっきょくは今の職場とSVの悪口を言わないといけないのが気分が悪い。ぼくは悪口なんか言いたくはないんだ。だけど言わずにいられないから、それならいっそやめたいんだ。ああつまらない。
いちおう慰留されました。この際だから不満を全部言っておきました。本社の人は「SVは『店長さんは引き止められないよ』って言ってたけど、ぼくはそうは思わない。ぜひ残ってほしい」と言いました。ていうかSV、引き止めろよ。SVと信頼関係ができてないからやめようと思ったんだけど、ポーズだけでも引き止められもしないほどにぼくは持て余されているのか。
なんか自分がすごいダメ人間のような気がしてきました。3月に会社を辞めてからこっち、ひとつのことも我慢して成し遂げられず完全に辞めグセ、逃げグセがついている。このままじゃどこに行っても長続きしないよなあ。
秋晴れでビルの32階からの眺めだけはバカみたいにいいけれど、そんな青い空を見ても心は晴れないブルーな月曜日なのです。ああまた鬱が頭をもたげてきた。


そして学校に行きました。今日は日本料理の実習。
早く行っていい席を取らないといけないので急いで着替えて実習室に行くと、教壇の前にはすでに人だかりができています。今から座れるいい席は・・・おっ、クラス一のかわいい子の隣が空いてるじゃないですか。お近づきになれるチャンス!
でもそこに行くと2列目になってしまいます。かわい子ちゃんとは反対側の左すみのほうなら、1列目で授業が受けられます。ぼくは左すみのほうに座り、黒板の字を写しました。

写し終えて、思った。
あれ、いまぼくちょっとかっこよくない?
かわい子ちゃんの隣の席には目もくれず、最前列に座り授業を受けようとする俺!なんてストイック!片眉を剃り落として修行に励む大山倍達のような!

なんだかノってきてしまいました。

今日の実習はカツ丼です。
豚ロースにパン粉をつけて黄金色に揚げます。親子鍋を使ってだし・しょうゆ・砂糖・みりんで玉ねぎとトンカツを煮て、卵でとじてほかほかのごはんに乗せます。
学校に入って初の食事らしい食事の実習にテンションも上がり、班長の采配もビッシビシ冴え渡ります。もうメアリーなんざ敵ではありません。メアリーさんはカツを揚げるとかの、一見派手で実はテクニックを要さないポジションに据えておけば破壊力が抑えられることに気づきました。油の前で立たせておいて、実際に揚げるタイミングはこっちで指示すればいいんだもんね。箸がバッテンになるのさえ目をつぶれば。
そして今までにないスピードで順調に調理は進み・・・。



これぞ夕飯!カツ丼&酢のもの!
そしてこれがうまーい!
これ出てきたら絶対自白しちゃう。あることないこと自白しちゃう。そして二審では自白の信憑性が争点になり、弁護側はカツ丼による自白の強要を主張。証拠品としてカツ丼の提出が求められ、提出されたカツ丼を一口食べて裁判官もひとこと。「あ、こりゃ確かにうまいわ」
ってなくらいうま〜い!
がっつがっつと食べまくり、周りの女の子はけっこう少食なので残りをいただいて、メアリーさんの分は気味が悪いのでもらわず、だいいちメアリーはカツはきれいに平らげてごはんだけ残しやがって、それはともかくぼくは満腹の大満足なのでした。


んで、気づいたらすっかりごきげん。
人間とは単純なものですね。
難しく考えすぎるといけない。わき目もふらず何かをやること。わき目もふらずおいしいを腹いっぱい食べること。それだけでけっこう楽しい。
またそんな風に思いました。

bicycle

2004/11/23

休日。いい天気。

突然思い立って自転車に油を差す。
原付を買って以来自転車は置きっぱなし、実に3ヶ月ぶりくらい。チェーン周りの挙動がかなり怪しいがなんとか動きそう。外に出る。
原付の重さに慣れているので、ちょっと持ち上げれば軽がると動く自転車の小回りのよさに感動。
井の頭通りを西走。
歩きでもなく、原付でもなく電車でもなく。久しぶりに味わう自転車の速度で街を走るといつもとは少し違った景色。
世の中には思いのほかたくさんの自転車が走っている。晴れた秋の日は気分がよい。

久々の有酸素運動に息が切れたところに100円ショップ発見。ついつい寄ってしまう。
魚のうろこひき、親子鍋、揚げ物油ポット、お好み焼き屋にあるような油ひき用のはけ・・・すっかりはまって無駄なものまでやたらと購入。
荷物が増え時間も食い、思いのほか遅くなって目的地の井の頭公園に到着。



わりと真っ暗。
でも人はけっこういっぱいいて、思い思いにバドミントンをしていたり(暗いのに)ボートを漕いでいたり(暗いのに)読書をしていたり(暗いのに)休日らしい風景。
ギターを弾いていたり出店で似顔絵を描いていたり、なんだか楽しい。

お腹が減ったので帰りは速攻。どんな道でも行きよりも帰りが早く感じるのはなんでだろう。
家の近くでスーパーに寄って豚ロースを買って帰り、100均で買った親子鍋を使ってさっそくカツ丼の復習。がっつり食う。
どうも揚げ物は家ではうまくいかないが、満腹なのでよしとしよう。

健康バンザイ

2004/11/24

お昼休み、社員食堂の前で某スポーツクラブがキャンペーンをやっており、「加速度脈波」というのを計ってあなたの健康度を診断してくれるという。毛細血管の血液の流れのことで、血管にコレステロールが溜まると数値が悪くなる、要は「血液のサラサラ具合」のこと。
どれ日頃の不摂生具合を確かめてやろうじゃないかと思って並んでみました。

イスに座り人差し指をパソコンのマウスみたいな機械に突っ込んで待つこと十数秒。出た数値は驚きの「B+」、19段階中で上から4番目のいい数値。アドバイスは「抹消血液循環は良好です。引き続き自分に合った運動によりこの波形を維持してください」とのこと。

うーん、全く運動してないのに。昨日数ヶ月ぶりに運動したのに。(自転車に乗っただけ。)
これだけ長生きするなら死んだほうがましだと公言しいつも不健康を礼賛しているのに、なぜだろうこの健康体。確かに腹が出るというようなこともなく、酒が弱くなってきたというようなこともなく。酔って転んでケガをしたりはするけれど、ぼちぼちいい年になってはきてもまだ内科的な健康の不安というのは全くない。
健康なんてまっぴらだと言っている人間ほど、意外とのうのうと長生きしてしまうものだったりして。

そういえば最近「あるある大辞典」をよく見ている。単に日曜の9時というのはアイロンをかけてたりしてぼーっとテレビを見ていることが多く、なのに空白地帯のようにおもしろそうな番組がないから、消去法的につけているだけなのだが、ふと気づくと「シナモンは血糖値を下げる効果があるらしいぞ」と言いながらアイスシナモンラテを飲んでいる自分がいる。
いつのまにか健康の魔の手に侵されている!

唯一思い当たる体の不調といえば痛風になったことがあったが、あれは誤診だからな。ぜったい誤診。
そう、ぼくは健康なのです。

やっぱり健康ですよ

2004/11/25

お昼休みに食堂に行くと、こんどは「あなたの骨の『骨硬度』測定します」。きのうとは別のスポーツクラブのキャンペーンです。なんだ、秋の健康シリーズか?

きのうは血液のサラサラ度で不覚にもいい数値をたたき出してしまったので、今日こそはぜひかっこ悪い結果を出したいものです。並びました。

並んでいる間に体脂肪計があって、セルフで測定します。・・・15.8%。標準値ど真ん中。いかん、健康一直線。

順番が回ってきて、イスに腰掛けて裸足の左足を機械に乗せます。係の女の人がその足の甲をゴム製のトンカチでコツーンと叩くと、棒グラフがピピーっと動いて・・・。

6段階で2番目。
「はい、問題ないですね。いい骨です。引き続き適度な運動を心がけてください」

また健康でした。
運動してないってばあ。
夜中に小人がやってきて、知らぬ間に運動させてくれてたりするんでしょうか。(ちょっとエッチな想像。)

最も恐ろしい女

2004/11/26

公衆衛生学の授業で、感染症の発生要因は感染源・感染経路・宿主の感受性のマトリックスであり、その3つのうちどれかに対策を取れば感染症を防げるという話がありました。
調理の現場においては感染源を経つこと、とくに保菌者を調理に従事させないことが重要だ、とかなんとか。



「このことを示す、あるエピソードがあります」と先生。

ぼくはピンときました

はたして、先生がスクリーンに映したスライドは。





そうして先生は、腸チフスに感染しながら発症せず調理の仕事をし続けたメアリー夫人の生涯について語りました。

逃走を続けながら1000名以上の人に腸チフスをばらまいていった彼女の生き様はさすがにインパクトがあったようで、みな「へ〜」と興味深そうに聞いている。「迷惑だなあ」なんて言っているじゃない。



・・・・でも、そのメアリーさん、ぼくの後ろ、みんなのクラスにいるんですから!!

残念!!

それにしても「最も恐ろしい女」ってタイトル、妙にしっくりくるなあ、斬りっ!!!

ゆっくり眠る週末には素敵な夢を見よう

2004/11/27

さいきん父が暴力をふるうらしい。
というので実家に駆けつけてみると、確かに姉の首ねっこをつかんだりしている。

やめさせないといけないので、実力行使に出ることに決定。
胴タックルからすばやくマウントを奪うぼく。レコ戦の小川ばりにすばやく肩固めを決め、「暴力はやめなさい」と耳元で父を説得。
「イテテテ、わかったよ」と父さん。
そして立ち上がりハッスルポーズのぼく。

しかし父さん、「訴えてやる」と言い出して法律関連の本を開いて勉強を始める。
慌てて逃げ帰るぼく。



という夢を見ました。
けっこうおもしろい夢ではあったのですが、夢に家族が出てくると、いつもロクな話じゃないなあ。

いつもの週末、いつかの毎日

2004/11/29

土曜日は、昼の仕事の同僚のチェリーくんの家へ。
彼の家はすぐ近くなので、金曜に習ったばかりのカッペリーニ・アラ・ケッカ(トマトの冷製パスタ)のソースを作って持っていきました。そして麺をゆでてお昼ごはんをふるまって、代わりにアスカ嬢に髪の毛を切ってもらいました。それから3人で飲んだくれてカラオケに行き夜まで大騒ぎ。
あ、これ10月24日の日記と同じだ。

日曜はやっしー&ゼンデンさんの家で久々のごはん会。
もちろん包丁セット持参。やっしー・ゼンデン・じゅん・ハナには初のお披露目なので、白衣も持参でコスプレショーからスタートです。しばし写真撮影会の後、じゃがいものシャトー剥き・かつら剥きなどの即席講習会、そして満を持して、じゅんが「AP」「AP」と熱望していたアッシュ・パルマンティエ(略すとHP)を披露しました。
あ、これは11月7日の日記と同じだ。

でも確実に、以前より作る料理は進歩しているのですよ。
10月27日のときも11月7日のときも、作ったのはじゃがいもの千切りチジミくらいでしたからね。じゃがいもの千切りでは正直髪の毛を切ってもらう対価としては釣り合いませんが、今回はちゃんとしたトマトの冷製パスタですから少しは面目も保てたというものです。カラオケでは大技「魅せられて」を披露しましたので、そのエンターテインメント料を合わせればトントンです。
やっしーごはん会でも、アッシュ・パルマンティエ(HP)のほかにも学校の近くのイタリアンの店で食っておいしかった鶏肉の炒めものをバルサミコ酢を使って再現してみました。我ながら驚くほどの再現度合い、むちゃくちゃうまかったです。チキンのぱくぱく炒めと命名。ぱくぱくおいしいという意味と、ひとの店の料理をパクっているという意味をかけている。
そしていつものように、会計はいいかげん。みんなそれぞれに酒や材料を持ち寄ったので、そのへんはどんぶり勘定でまあいいのです。
やっしーごはん会はいつも次から次へ食いきれないほどの料理と飲みきれないほどの酒が出てくるのですが、今回はいつにも増して多量のおつまみ。今回はぼくもちゃんと料理を提供しておいしく参戦し、たくさん飲みました。とんでもない量を飲み食いしたような気がしますが、いつのまにか軽く平らげてしまう。おいしい時間はあっという間ですね。

ずっとこうやって暮らしていければいいなと、思った週末でした。
こうして少しずつ作れる料理が増えていき、友だちが増えていき、お店ができて、いつか毎日がこんなふうになったなら!

踏み出せば その一足が道となり

2004/11/30

友だちがひとり、重大な人生のワカレミチにさしかかっている。

彼は初め、軽い気持ちで「楽天」の球団職員の募集に応募した。定員20人のところに1万人近くが殺到したという、アレだ。もちろん深い考えはなしに、記念受験的に。
最初は「ヒルズに行ってきた!」「1次通った!」「受かったら絶対に行くぜ!」とあくまでネタ的に楽しんでいたのだが、そのうちに2次も受かり、3次も受かり、あれよあれよと駒は進み。

きのう「最終面接行ってきたよ・・・正直微妙」と妙に弱気なメールが届いたのでした。

それもそのはず、楽天の球団職員ということは勤務地は仙台。彼にはいま東京での安定した職があり、守るべき家族があり、そうしたリアルを抱えたままでは仮に採用されたとしても素直には喜べないのです。
もし入社したとなると、「短期間でプロ野球球団を一から作る」というとんでもない事業に携わることになります。サカつくとはわけが違います。盛りを過ぎた元一流半の選手を必死でかき集めている球団の姿からも十分ドタバタ感は伝わりますが、それを支える裏側はもっと突貫工事で仕事をしているのだろうということは想像にかたくありません。じっさい面接でも、相当ハードなミッションが要求されることをほのめかされたそうで、当初の勢いはどこへやら、それに彼は考え込んでしまったようです。

「なんか最終面接で突然仕事の内容が変わって聞いてないよ〜って感じ・・・すげー忙しそうだし・・・それで家族を犠牲にしたら元も子もないよな・・・・」と語る彼。それはその通り。今の彼にとっては、一寸先はハプニングの新球団に飛び込むのは危険すぎるギャンブルです。


だが、あえてもう一度言おう。

行け!
行ってこい!
そこに何があるのか、見てみたくないか?全国民が注目する最高のモノ作りに携われるチャンスは、一生にもう二度とないぞ?

もしダメだったら、辞めればいいじゃないか。大事な家族を犠牲にするような職場だったら、辞めて次のことを考えればいいじゃないか。
別に「家族を犠牲にして会社に尽くしてください」と言われたわけじゃないだろ?ダメだったときのことはダメだったときに考えればいい。始める前にダメな理由を考えたら、きっと何もできない。
やってみてダメだったら、よく考えて逃げ出せばいい。逃げることは恥ずかしくない。恥ずかしいのは後ろを向くこと。倒れるなら前のめり、だ。

まだ結果が出たわけじゃないので、ひょっとしたら単なる笑い話で終わることかもしれないが、ぼくは彼のキャリアと能力と人間ならば十分に採用される可能性はあると最初から思っていた。そしてぜひ、いまの会社とかのムズカしいしがらみを軽々と飛び越えて東京を卒業してほしいと思っていた。
東京を卒業することは彼の夢の実現の絶対条件であり、今回またとないタイミングとスケールで卒業の具体的なきっかけが飛び込んできた。彼の夢はぼくの夢とも密接に絡み合っており、そしてぼくは彼と語り合ったあのときの夢をまだ忘れていないのだよ。こんなに早く会えなるとは思っていなかったから少し寂しいけれど、いつまでも東京に浸っているうちにいつの間にか夢を忘れられたりしたら困るのだよ。

SPEED
MORE SPEED
CREATE
CREATE

想像力とスピードと、その二つだけ持って、飛べ!
そのあとどこに落ちるかは、飛んでるうちに考えろ!


***


もちろん、きみはぼくの言葉を真に受ける必要はありません。
右から左、1から100まである意見のうちで、あえて100を言いました。もし本当に今の会社を辞めることを考え始めたら、1の意見はいやでも死ぬほど聞かされるだろうから。28歳独身フリーターという、きみの周りにはもはや絶滅したと思われる人種の無責任なアドバイスもひとつくらいあってもいいと思うのです。
あとは1の意見を聞き、50の意見を聞き、大事な家族の意見を聞き、何が一番やりたいか自分の胸に聞いて決めてください。
失敗を恐れないのも勇気だし、安全な道を選ぶのも勇気です。人生のワカレミチ、1から100まで考えた末の勇気ある結論であれば、それがどんな答えであっても絶対に正解だよ。

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